ばってん少女隊、“恋を構成する6つの感情”を表現 年末ワンマンライブで見せた進化し続ける姿
2021年12月18日、ばってん少女隊が『年末ワンマンライブ「わたし、恋始めたってよ!」』を品川ステラボールで開催した。2021年11月にリリースした最新シングルのタイトルを掲げた本公演は、“恋を構成する6つの感情”をメインテーマに構成。ライブ前日にオフィシャルTwitterで発信された、“絶対に「いまこの瞬間のばってん少女隊を見逃さなくて良かった!!」と思えるライブにします。”という力強いメッセージの通り、今のばってん少女隊の魅力が余すことなく発揮された、まさに集大成のようなライブであった。ライブは2部制で行われたが、本稿では1部の模様をレポートする。
満員の会場が定刻に暗転すると、ステージの上に浮かぶ巨大なLEDスクリーンに、メンバーの写真と各々が表現する感情の文字が現れる。春乃きいなは“楽”、蒼井りるあは“喜”、上田理子は“不安”、瀬田さくらは“怒り”、柳美舞は“悲しみ”、希山愛は“希望”。これから始まる壮大な物語の予感を感じさせつつ、「わたし、恋始めたってよ!」でライブは幕を開けた。水色と白を基調とした爽やかなワンピースに身を包んだメンバーは、まるで人形のような無機質な表情でパフォーマンスを始め、不思議な空気を持つこの曲の世界観へと引き込んでいく。メンバーの頭上と後ろに設置されたスクリーンには、本楽曲のMVでも表現されていた、森林、砂浜、海岸、神社など自然の中で踊る彼女たちの姿が映し出される。
あまりにも神秘的なステージに呼吸すら忘れてしまいそうなほど没入していたが、ここで黄色担当・春乃のダンスソロが始まり、“楽”のパートへ突入する。黄色い光が降り注ぐ中、全身を使ってイキイキと飛び回る春乃。それをきっかけに「びびび美少女」「OTOMEdeshite」と、コミカルでキュートな楽曲を2連続で披露。会場中を埋め尽くすカラフルなペンライトが一斉に曲に合わせて動き出し、歓声や掛け声こそ出せないものの、ファンたちの楽しさが伝わってくる。ステージのメンバーもキラキラと輝く笑顔で元気なダンスを見せ、特にダンスリーダーの希山は、ポニーテールが顔にかかるのも構わずに全力のパフォーマンスを披露。新メンバーコンビの柳と蒼井が肩を寄せ合って歌う微笑ましい場面も。
続いてピンク担当・蒼井のふんわりした笑顔が可愛らしいダンスソロから、“喜”のパートへ。博多弁や博多名物を歌詞に盛り込んだ「ころりんHAPPY FANTASY」、王道アイドルソングの「無敵のビーナス」を披露し、幸福感溢れるライブをつくりあげていく。春乃は勢いよくジャンプしてステージを盛り上げ、上田と瀬田は配信用のカメラに向かってハートを作ったり、ステージの端から端まで駆けまわったりと、ライブを見ているファン全員をしっかりと楽しませていた。
幸せな空気でいっぱいだったライブだが、赤色担当・上田のパフォーマンスで雰囲気は一変。その場に崩れ落ちた上田が、長い髪を振り乱しながら“不安”をめいっぱい表現すると、ここでキラーソング「OiSa」が始まる。ループが生み出す不安感と快感の狭間を攻めるこの楽曲では、これまでのアイドルのライブにはなかった全く新しい感覚が味わえる。スクリーンに映し出されるのは、どこまでも続く無数の鳥居と途方もなく咲き誇る桜の木。この映像演出が、楽曲の持つ不思議な魅力をさらに増幅させる。余韻に浸る間もなくシリアスな空気をそのままに、「コトバテニス」を披露すると、スクリーンにはメンバーカラーのスモークが立ち込め、不穏な空気が漂う。
紫色担当・瀬田が“怒”を露わにした激情的なダンスを披露し、ライブは一気に激しさを帯びていく。感情をさらけ出すような「己Myself」では激しいロックサウンドに合わせて6人全員がヘッドバンキング。スクリーンにはメンバーカラーの炎が燃え上がり、彼女たちの熱い心を表現。曲のラストには瀬田が勢いよく空を蹴り上げるパフォーマンスでファンの度肝を抜いた。続いて情熱的な「BDM」を繰り出し、会場のボルテージを上げていく。生々しい感情を野性的に歌い上げ、全力で踊る彼女たちの姿に何度も鳥肌が立つ。