エルトン・ジョンの交友関係から生まれた『The Lockdown Sessions』 デュア・リパら新鋭たちと照らす音楽の未来
創作姿勢にしても、エルトン・ジョンのパーソナリティと音楽愛、そして長きにわたる成功の秘訣を感じさせる。今回、エルトンがコラボレーターたちに求めたのは「自分のやりたいこと」を貫く決断力だという。例えば、SGルイスから最初に聴かされた楽曲は「エルトン的すぎる、もっと君らしさが欲しい」と断ったそうだ。同時に「昔ながらのソングライター」を名乗るエルトンは「自分ができないこと」をきちんと認め、他者から学び続ける音楽家でもある。SGルイスの共作からして「自分には作り方がわからなかったエレクトロとダンスミュージックの融合」(※2)に惹かれたことから始まっている。また、ロマンチックなバラード「Always Love You」制作時には、一人で楽曲全編を書く彼とは異なる、ラップミュージック的な「断片的メロディの作曲方法」をニッキー・ミナージュから教わったという。
「新しい音楽は未来を指し示す」(※3)。そう考えるエルトンは、過去に興味はないという。事実、『The Lockdown Sessions』は、新たな才能を見極めてサポートしていくエルトンの先見性が発揮されたからこそ、若者をも惹きつけたのだろう。しかし、同時にこのアルバムは、エルトン・ジョンの名曲の普遍性を再証明するものでもあった。なにせ、No.1ヒットに輝いたデュア・リパとの「Cold Heart PNAU Remix)」は、彼の4つの旧作(「Rocket Man」「Sacrifice」「Kiss The Bride」「Where's the Shoorah?」)を組み合わせたリミックスなのだから。
※1:https://www.nme.com/news/music/lana-del-rey-grilled-by-elton-john-on-notorious-snl-performance-in-new-interview-2560972
※2:https://www.papermag.com/elton-john-sg-lewis-orbit-2655347623.html
※3:https://www.today.com/popculture/elton-john-talks-today-s-carson-daly-about-new-album-t235481
■リリース情報
エルトン・ジョン
『ロックダウン・セッションズ』
2021年10月22日(金)世界同時発売
品番: UICY-16027
価格: ¥2,750(税込)
レーベル: EMI
日本盤のみSHM-CD仕様、ボーナス・トラック1曲収録
<収録曲>
エルトン・ジョン&デュア・リパ / コールド・ハート(プナウ・リミックス)
エルトン・ジョン、ヤング・サグ&ニッキー・ミナージュ / オールウェイズ・ラヴ・ユー
サーフェシズ feat. エルトン・ジョン / ラーン・トゥ・フライ
エルトン・ジョン&チャーリー・プース / アフター・オール
リナ・サワヤマ&エルトン・ジョン / チョーズン・ファミリー
ゴリラズ feat. エルトン・ジョン&6LACK / ザ・ピンク・ファントム
エルトン・ジョン&イヤーズ&イヤーズ / 哀しみの天使(グローバル・リーチ・ミックス)
マイリー・サイラス feat. ワット、エルトン・ジョン、ヨーヨー・マ、ロバート・トゥルヒーヨ&チャド・スミス / ナッシング・エルス・マターズ
エルトン・ジョン&SGルイス / オービット
エルトン・ジョン&ブランディ・カーライル / シンプル・シングス
ジミー・アレン&エルトン・ジョン / ビューティー・イン・ザ・ボーンズ
リル・ナズ・X feat. エルトン・ジョン / ワン・オブ・ミー
エルトン・ジョン&エディ・ヴェダー / Eチケット
エルトン・ジョン&スティーヴィー・ワンダー / フィニッシュ・ライン
エルトン・ジョン&スティーヴィー・ニックス / ストールン・カー
グレン・キャンベル&エルトン・ジョン / アイム・ノット・ゴナ・ミス・ユー
エルトン・ジョン&デュア・リパ / コールド・ハート(PS1リミックス) *
*日本盤ボーナス・トラック