SUPER★DRAGONのツアー『SIX DAY』スタート 結成から6周年、彼らの掲げる“ミクスチャー”は新たな次元へ

 2021年9月27日。SUPER★DRAGONが結成から6周年を迎えた。9人という大きな所帯。メンバー全員が10代前半~半ばの頃にスタートし、多感な青春時代をプロとして歌とダンスのスキルを磨くことに捧げ、コンスタントにリリースとライブを続けながら、誰ひとり欠けることなくここまできたことは、何ものにも代えがたい彼らの価値であり個性と言えるだろう。なかでも、新型コロナウイルスのパンデミックが世界を襲った2020年を乗り越えたことで獲得した、強固なグループの結束とパフォーマンス力には目を見張るものがある。

 結成から5周年という節目に向かって動き出そうとしていたタイミングでの未曽有の事態によって、あらゆる予定が頓挫し先の見えない状態に。しかし彼らの心が完全に折れることはなかった。活動の軸を配信ライブやSNSでの積極的な発信などに切り替えるだけでなく、その間に現代を生きるアイドル/アーティストとして表現できることや、グループとしてのあるべき姿を必死で探していたのだろう。だからこそ彼らは、2020年末に『Burn It Black e.p.』という、キャリア史上もっとも説得力の強いEPリリースすることができたのだと思う。

 タイトルの“黒”とは、SUPER★DRAGONがグループとして前を向き進み続ける覚悟であり、何ものにも染まらないという決意であり、同じ色を纏っても9人の個性は消えないという自信でもあると、リリース時のインタビューでメンバーは語ってくれた。またその黒は、コロナ禍そのものとも、溢れる情報に捉われ盲目的になってしまった人間の状態とも取ることができる。そんななかで何をどう選択していくべきか。答えのない世界と必死に向き合い続けてきたひとつの証が作品となりメッセージとなり、多くのファンを勇気づけたことだろう。

 そして迎えた2021年の春。4月9日と10日にZepp Hanedaで495日ぶりにファンをフロアに迎えたワンマンライブを開催する。『NEO CYBER CITY - ネオサイバーシティ』と名付けられたそのステージでは、『Burn It Black e.p.』のインパクトをさらに上回るスケールアップした姿をみせてくれた。ライブでの定番曲と新曲をコンセプチュアルに織り交ぜながら、文明や欲望という怪物が生み出したディストピアのなかで、廃棄処分になることが明らかになりながらも決して諦めないクローン人間を見事に演じきる。その先にあるのは光なのかさらなる闇なのか。問題が山積みの社会を映し出す鏡のような、底抜けにハッピーエンドではないリアルな含みやエッジは、未来をファンとともに作り上げていきたいというメッセージだったのではないだろうか。

 その後、SUPER★DRAGONは6周年前夜である9月26日から、東京は中野サンプラザを皮切りに、愛知2デイズ、兵庫と神奈川を回り、12月6日に再び東京に戻ってくる、念願のツアーを行うことを発表。そしていよいよ初日を迎えるということで、筆者も期待に胸を膨らませながら会場に足を運んだ。

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