NiziU MAYUKAはMAKOにとって“分身”のような存在 殻を破り、夢を現実に変えた二人

 中でも強く記憶に残っているのが、韓国合宿のミッション3だ。MAYUKAは、MAKO率いる5人組のチームで難易度の高い2PMの「Heartbeat」に挑戦。ステージの真ん中で膝をついてイントロに流れる心臓の音に合わせ、MAYUKAがラップを披露した場面は、もしもファンが選ぶ『Nizi Project』の名シーンベスト10があったら上位にランクインするだろう。『NiziU 9 Nizi Stories』第6話の中でメンバーが選ぶ“MAYUKAの印象的だったパフォーマンス”も、満場一致で「Heartbeat」だった。MAYUKAが自分の殻を破り、才能を開花させた瞬間。実はその裏に、彼女を自分の分身と呼んだMAKOの功績があった。

 MAKOチームで練習していた時、指導に当たったJ.Y. Parkから「足りないところは特にないのに、特別上手に見えないのが問題」と指摘されていたMAYUKA。それはひとえに自信のなさが影響しており、自ら目立とうとすることができないからだった。

 そんな壁を乗り越え、殻を破ることができた理由について、MAYUKAはインタビューで「ミッション3で「殻を破れ」と言われて、でもどうしたらいいのかわからなくなっていた時に、マコちゃんが「昔の私もそうだったけど、もっとマユカ自身を見せてもいいと思う」とアドバイスをしてくれた」と語っている(※3)。他人からは完璧に見えるMAKOにも、自分と同じように悩み苦しんだ時があったと知ったMAYUKAはきっと安心しただろう。だからこそ本番は目立つことを恐れず、J.Y. Parkの前で自分が得意とするラップを披露することができたのだと思う。

 そして、MAKOは自分と同じ道を辿り、殻を破ったMAYUKAをチームメンバーとして側でみていたから彼女のことを「私の分身」と表現したのではないだろうか。まるで師弟コンビのような二人だが、今はNiziUという同じグループに所属する対等な仲間。MAYUKAはまだ殻にこもっていた地域予選の頃、J.Y. Parkに「アイドルから夢をもらったので、自分も夢を与えられるような人になりたい」と語っていた。ただ夢を見るだけではなく、現実に変える力を持つMAKOの背中を見て最後まで努力し続け、夢の切符を掴んだMAYUKA。今度は彼女が世の中の人々に夢を与える番だ。

※1:https://www.golddisc.jp/award/35/best-new-artist07.html
※2:https://hochi.news/articles/20201211-OHT1T50027.html
※3:https://www.oricon.co.jp/special/54839/5/

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter:@bonoborico

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