橋本愛、『THE FIRST TAKE』が話題に 「木綿のハンカチーフ」の物語を紡ぐ祈るような歌声

 一方で、「私は歌が好きです。大好きです。」(※2)という真っ直ぐな思いも彼女は携えている。2年ものラブコールから念願叶って実現した大森靖子との楽曲「堕教師」は、『THE FIRST TAKE』とは違うポップな歌声で、懸命であり無我夢中な熱量が伝わってきた。ジャンルは異なるが、大好きな洋服に身を包むSPUR.JPの連載『武装MODE』では、写真からはみ出しそうなほどのエネルギーを放つ。かつて連載していた雑誌『POPEYE』でも、彼女がカルチャーに対して紡ぎ出す感情の豊かさに圧倒されていたが、勢いはますます解放の方向へと向かっているように思う。現実と夢の世界線が曖昧だった光ある頃を思い出させてくれる、力強い表現。まるで、私自身を取り戻していく一端を、見せてもらっているようだ。橋本は今年、「歌を歌う活動を切り拓いていきたい」と自身の連載で語っていた。彼女の歌が地上波の電波を通じて広がっていく一夜が、とても待ち遠しい。きっと、誰かにとって、鮮明な夜になるはずだ。

■羽佐田瑶子
ライター。映画会社、訪日外国人向け媒体などを経て、現在はフリーのライター、編集。関心事はガールズカルチャー全般。主な執筆媒体はQuick Japan、She is、テレビブロス、CINRA.NETなど。Twitter:https://mobile.twitter.com/yoko_hasada

<参照>
※1:橋本愛が考える、コロナ以降の表現方法 「固定概念や現状を少しずつ変えていければ」https://realsound.jp/movie/2020/06/post-573505_3.html
※2:大森靖子の新曲「堕教師」に橋本愛が歌唱参加、「大森さんはいつも、私の夢を叶えてくれる人」https://spice.eplus.jp/articles/279093

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