高校生シンガーソングライター Broken kangarooが突如バイラルチャート首位に 軽やかなロックで聴かせる“細やかな心情描写”

参考:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(10月29日公開:10月22日~10月28日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:Broken kangaroo「水平線」
2位:BLOOM VASE「CHILDAYS」
3位:平井大「Stand by me, Stand by you.」
4位:川崎鷹也「魔法の絨毯」
5位:ReoNa「ANIMA」
6位:Eve「廻廻奇譚」
7位:BTS「Dynamite」
8位:ベリーグッドマン「アイカタ」
9位:Blackpink「Lovesick Girls」
10位:優里「かくれんぼ」

 バイラルチャートの面白いところは、突然、未知なるアーティストがランクインしてくるところである。例えば、自分の知らないアーティストがランクインしていたとする。今のご時世、ググれば多くの情報を入手することができるし、サブスクリプション音楽配信サービスの拡大で、その気になれば音源をディグることも容易にできる。さらには、YouTubeなどでライブ映像をチェックすることももはや普通と言えるだろう。あくまで情報ベースではあるが、知らないアーティストを多角的に知ることができるのだ。

Broken kangaroo「水平線」

 そんななか、ググっても限られた情報しか得られないアーティストがいる。そういうアーティストを個人的には“未知なるアーティスト”と呼んでいる。Broken kangarooは、まさに未知なるアーティストだ。例えば、8月に同じくバイラルチャート連載で取り上げたもさを。も未知なるアーティストだったと思うが、それ以上に情報が少ないのがBroken kangarooである。そのBroken kangaroo「水平線」が、今週のバイラルチャートで1位を獲得した。

 こういうアーティストがバイラルチャートの上位に入ってくるのは、メルカリやジモティーなどの“C to C”(Consumer to Consumer/個人間取引)、そしてSNSがライフスタイルに浸透し、他者との情報の共有の仕方が変わってきたからだろう。サブスクやSNSで聴いて、個人的にいいと思った曲を直感的に即SNSにアップしたり、友人間で共有できることが、今週のバイラルチャートのように未知なるアーティストの発掘に繋がっているとしたら、今後、既存のチャートの概念が覆されるかもしれない(もう覆されつつあるとは思うけども......)。

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