8thシングル『ごく平凡な青は、』インタビュー
CYNHNに聞く、“3000キャパ”の目標への揺るがぬ決意 「大きなステージに行きたい気持ちは、どんな状況でも変わらない」
「ごく平凡な青は、」は今のCYNHNにとって必要な曲
ーー『CYNHN Streaming LIVE「Ordinary Blue」』の1曲目は、ニューシングル曲「ごく平凡な青は、」でスタートしました。ラブソングではないし、今の自分たちにこういう内省的な楽曲を渡辺翔さんが作詞作曲してくれたのは、どうしてだと考えましたか?
崎乃:今CYNHNが歌うべき曲だからだと思いました。CYNHNはそんなに明るいイメージのユニットではないし、落ち込むことも多い私たちだけど、歌い出しの〈もう晴れてしまえばいい〉という歌詞で私たちも前を向こうとしていることを表しているな、と。落ち込んでいる人の背中を押したり、未来をもうちょっと楽しみに思えるような歌を歌いたいです。
青柳:渡辺翔さんっていつもそっと見てくださっていて、私たちに必要なものを汲んで与えてくださる“神”みたいな感じなんですよ(笑)。だから、私たちのことを見て「これを歌うべきだ」と思ってくださったのかな、って思います、神様なので(笑)。
他のメンバー:あはは!
青柳:試練みたいに、歌詞割りでも、高音がきついところも「(あなたなら)出るよ」って割り振られたりするんですよ。「CYNHNにとって必要な曲だから書こう」と思って与えてくださったんだと思います。
ーー渡辺翔さんと曲について話すことはありますか?
青柳:曲というより、ライブを見た感想とか。この前も「みんな、お客さんがいる時の表現の感じとはちょっと違う表現ができるようになったね」って言ってくださったり。
百瀬:私はなんでこの曲をいただけたのか分からなかったんですけど、今聞いてて、ふたりが言った通りなんじゃないかなって。
月雲:私もそう思いました。
綾瀬:この時期に楽曲をいただけるということ自体ありえないというか、幸せすぎることで。曲、めちゃめちゃかっこいいんですよ。「水生」とはまた違った難しさや、曲に込められた想いがあって。「こんな曲も私たちにいただけるんだ!」という嬉しさがありました。私たちの成長のためにくださったのかな。やっぱり渡辺翔=神説(笑)。
ーーあはは。「ごく平凡な青は、」のヴォーカルで意識した部分を教えてください。
綾瀬:この曲に関しては、ほとんど練習せずに歌って。「水生」はグルーヴ感が大事なのでベースにどれだけ自分を乗せられるかとか考えたんですけど、これはあまり考えずに。それが逆にこの曲の良さを引き出していて。儚いけど暴力的で、とてもきれいでかっこいい、みたいなものが詰まっている。自分の想いをこの曲に「バーン!」ってぶつけてやりました。えへへ。
月雲:私は自分が思っていなかった歌詞割りをもらったので、「これでいいのか?」みたいな気持ちがあったんですけど、メンバーや周りのスタッフさんが「いいよ」って言ってくださったので……。
綾瀬:最初のところが良かったよ。 ねるにしか出せない声を出していた。
月雲:〈坂を背に急ぎながら眩しくって/青く茂ってた青の下に居る〉の部分……。
ーー消え入りそうな声で言いますね(笑)。あと、月雲さんは最近髪を暗くしましたよね。それに反比例して百瀬さんの髪が明るくなるという。
月雲:なんとなく暗くしたかった。
百瀬:私は自粛期間中にずっと染めたいと思っていて、反動で「ええいっ!」と染めたい気持ちが沸点に達してこうなりました。
ーーそんな百瀬さんが、この曲を歌う時に意識した部分は?
百瀬:私は音を聴き取るのが苦手なので、いつも奏音ちゃん先生に百瀬の歌詞割りの部分を録ってもらって、それを聴いて音程を確認しつつ練習して。個人的に「水生」では反省点があったので、そこを意識しながら、はっきり歌う部分とかに気をつけて練習しました。
青柳:すごく欲しかったAメロの歌詞割りをいただけたんですよ。〈あの角を曲がって慣れた景色何百回目/生ぬるい6月の憂い思い出しまた雑に消した〉の部分なんですけど、〈生ぬるい〉を投げやりな感じで、けだるさとかも意識して歌いました。自宅の壁が薄いので、住宅街からちょっと外れた、車しか通らないようなところまで行って、そこで大声を出して練習しました(笑)。
崎乃:私はいつも、ちょっと諭すような丁寧に歌う感じのパートをいただくことが多くて。今回も求められているものを考えてから臨みました。2番のAメロの〈何もない今だけ興味ないって捨てないで〉は、聴いてくれた人に「今を無駄にしないで」みたいな、優しく諭すイメージで。歌い出しも、社会に向けて〈もう晴れてしまえばいい〉って、聴いてくれる人の感情を動かせるように歌っていて。でも、ラスサビの〈当てつけのような空へと/愚痴挟んで〉の部分だけは自分の気持ちをぶつけて、「あ〜てつけの〜↓」って語尾を思いっきり下げて。ここは崎乃奏音像とか求められているものとか関係なく、「私は今この空に気持ちをぶつけてやるんだ!」みたいにロックに歌いました。
ーーカップリングの「くもりぎみ」は繊細だけど激しくて、ヴォーカルのアプローチが難しいのではと感じました。
百瀬:超大変でした。めっちゃ難しかったです、私は。
ーー途中で強く歌うところって百瀬さんのパートですよね?
百瀬:そうです、ラスサビの頭の〈ほぼ絶えず絶えず空、曇ってばっかの僕だ/全部全部退屈って言葉で逃げて〉。
綾瀬:あそこ好き。
百瀬:ありがとうございます。また渡辺翔さんの話なんですけど、地声と裏声のちょうどギリギリみたいな、私と透ちゃんが難しいラインを担当していて。「地声で出るから頑張って出して!」って試練をくださって、そこにぶつかっちゃったんです。久しぶりにレコーディングブースで「うわあああっ! 出ないどうしよう!」ってなりました。
青柳:みんなで「うおっおっおっおー」って歌うところで、メンバーによって裏声とか、違う歌い方を混ぜるんですよ。私たちは声を張る組で。コロナ禍で思うように練習ができなかったのもあって、声が全然出なくて大変でした。でも、「できるよ」って言ってくださるのは自信に繋がるし、嬉しい。
崎乃:レコーディング中に渡辺翔さんに「感情を表現するのがうまいよね」と言っていただいて。それが最後の〈どうかどうか『らしさ』くらいは残せますように〉というパートなんです。「ここはこうしたらこういう感情が見える」というのをいつも全部細かく決めてやるんですけど、そういうところも褒めてくださったりして、ちょっと自信がつきました。
月雲:歌い出しでリズムに遅れないように歌うのが難しかったです。あと、1番のサビで志希ちゃんがパワフルに歌っている部分に対して、2番のサビの私は違うイメージで歌うのに苦戦しました。
綾瀬:「これまたすごい曲きたな。もうA面じゃん!」っていただいた時に思ったんですよ。これ、3拍子に思えて8分の6拍子ですよね。だから意外に速いリズムを取るのに苦戦しました。〈雨流すそれはただこちら見てて/何もせず風で流れてる〉というところは「これやりたかったやつ!」って。ちょっと空気を膨らますようにして、最後にどんどんどんどん落とし込むというところで昇天しそうになりました(笑)。そのくらい超気持ちいいんですよ。新しいけどCYNHNに近く寄り添うような曲になっていて、歌っていて楽しい。みんなの歌い方が違う部分も良くて、ラスサビを百瀬が「ドン!」って歌うところも「これこれ!(拍手)」となりました。素晴らしい曲です。
ーーそして、2021年9月23日までに3,000人キャパの会場を埋めるという目標は変わっていないと、『CYNHN Streaming LIVE「Ordinary Blue」』で宣言していましたね。
百瀬:早く大きなステージに行きたい、という気持ちはどんな状況でも変わらないので、その目標も変わらないです。
月雲:3,000キャパじゃなくて3,000人の前でライブをするという意味だと思うので、この状況が終わってからの方が現実的かなとは思うんですけど、それがなかなか難しそうなので焦りはあります。
ーー周りのグループが解散や休止を発表する状況を見ていて、焦りは感じますか?
青柳:感じます。同じ事務所のエンゲさん(ENGAG.ING/9月30日に解散予定)も同期に近いと思っていたので、やっぱり今は大変な状況なのかな、って思ったり。
ーー目標を実現するために、今後何をすべきだと考えていますか?
青柳:このご時世だから大変だけど、曲を出すのが大事だなって。エゴサをしていると、新しく曲を出したから私たちを知ってくださる方も見かけるんですよ。あと、ある声優の方がCYNHNを聴いているということをラジオで話してくださって。「渡辺翔さんが作っているんだ!」って。そこからCYNHNを知って配信ライブを見て好きになってくれる方もいて。いきなり注目してもらうのは難しいけど、地道にきちんと活動をして、一回一回のライブで「いいじゃん」と思ってもらえたら、少しずつファンの方の数は増えていくのかな。
月雲:ワンマンのライブ映像の中から「水生」と「アンフィグラフィティ」を公開して、見てくださった方もけっこういたと思うので、ライブ映像をもっと出したら見てくれる人も増えるんじゃないかな。
綾瀬:例えばこの先武道館に行くにしても、「今の自分に足りないものはどうやっていったら埋まるんだろう?」とか考えるんです。でも、「私は私の歌を歌うことでしか答えが出せないな」って。私は私の歌を歌っていくだけ!
崎乃:とにかく知っていただく機会を増やすことを目標に頑張っていきたいです。知ってもらうことがまず重要だし、知ったら好きになってくれる潜在ファンみたいな人もいると思っていて。普段CYNHNを見ない人が、たまたま見て知れるような機会を増やしたい。あと大学卒業後に演技のお仕事を始めて、「表現がまた変わってきたね」と評価していただくこともあって。そっちでも知ってもらう機会をどんどん作っていきたいです。
百瀬:どうしたら人に見つけてもらえるか、たぶん5人それぞれが悩んでいると思うんですよ。いまだに正解が出なくて模索しながらやっている感じですけど、透ちゃんが言ったように、一個一個のライブが熱のあるものだったら、見てくれる人は絶対に増えると思う。あと、二次元にした時に一人ひとりの作画が違うような、個性が強いグループだと思うんですよ。出会い方、入り方は何でもよくて、いろんな人に出会って知ってもらえたらな、って。個々の幅を広げたりスキルアップしたりして、一人ひとりの特化したものが、これからどんどん強くなっていくといいのかな。
他のメンバー:(拍手)
■リリース情報
CYNHN(スウィーニー)
8thシングル『ごく平凡な青は、』
2020年9月9日(水)発売
空盤(初回限定盤)
TECI-732 / ¥1,636+税 / シングルCD+DVD
<CD収録曲>
ごく平凡な青は、
くもりぎみ
<DVD収録内容>
「ごく平凡な青は、」Music Video & MVメイキング
青盤(通常盤)
TECI-733 / 定価:¥1,091+税 / シングルCD
<CD収録曲>
ごく平凡な青は、
くもりぎみ
ごく平凡な青は、 Inst Ver.
くもりぎみ Inst Ver.