矢沢永吉、音楽との向き合い方について『関ジャム』で語ったこと 『Mステ』初出演にも期待

矢沢永吉『いつか、その日が来る日まで…』

 8月25日、テレビ朝日系音楽バラエティ番組『関ジャム 完全燃SHOW』にて矢沢永吉の特集が放送された。9月4日にはニューアルバム『いつか、その日が来る日まで…』のリリースを控えている矢沢だが、テレビで自身の音楽制作について語られることはあまりなく、その冷静な視点と緻密な計算がされた音楽への向き合い方に驚かされたとともに、番組を通して矢沢永吉がロックスターであり続ける“豪”を改めて感じた。

矢沢永吉 NEW ALBUM『いつか、その日が来る日まで...』2019年9月4日(水)発売

 今年でソロデビュー44年を迎えた“世紀のロックスター”矢沢永吉は、これまでに40曲以上を作曲している。この日は番組の独占取材で矢沢の口から音楽制作の方法やメロディと歌詞の関係性などについてが語られた。また、スタジオでは、矢沢と20年来の付き合いだという横山健、矢沢のニューアルバムで作詞も担当したいしわたり淳治、作曲家/音楽プロデューサーの多保孝一の3人が出演し、音楽プロデューサー本間昭光を加えた4名が矢沢の楽曲の魅力を語るとともに、矢沢への質問もぶつけた。

 「20~60代に聞いた矢沢永吉の名曲BEST10」と題されたランキングでは、10位に「黒く塗りつぶせ」(1977年)がランクイン。同曲の魅力を本間は「イントロとBメロで鳴っているリフがとにかくかっこいい」、「8分のベースとこのギターのリフは、『Smoke on the Water』(Deep Purple)を彷彿とさせるアメリカンロックなサウンドに仕上がっている」と説明。

 また、多保は9位「YES MY LOVE -愛はいつも-」(1982年)、8位「いつの日か」(1994年)について「Aメロ出だし、2つ目のコードがオーギュメントコードになっている」と挙げ、これによって都会的な哀愁感が引き出されていると共通点を解説。さらに、7位「SOMEBODY’S NIGHT」(1989年)は「コードとメロディが“11th”のいわゆるテンションの関係になっていて、(いい意味の)違和感や引っかかりを生み出している」といい、本間は「ロックといえばギターサウンドのイメージだが、矢沢さんはキーボードをよく使われる」とし、これがポップスシーンでより受け入れられる理由だと語った。

 今回、矢沢はスタジオからの質問に独占インタビューで答えた。多保の「テンションコードはどこまで計算しているのか?」という問いには「(テンションコードは)入れなきゃダメ」だと答え、音色だけでなくコードを変えたりオーバーダブ(重ね録り)を加えてアレンジを組み立てていくことが重要だと話す。

 オーギュメントコードについては「augやsus4、7thコードが好きでよく使うけどそれは(感覚が)自然と身についていったもの」だという。また、キーボードを多く取り入れる理由について「(イギリスのミュージシャン)ジョージ・マクファーレンに出会って鍵盤を(曲に)入れた時に音の広がり方を感じた」といい、「鍵盤は(音の)スキマを調和で埋めますよね」、「ギスギス感を出したい時にはギターだけの世界に戻りたい」と楽器の使い分けについても語った。

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