欅坂46は、メンバーにとって”自分を発見できる場所”に 『別冊カドカワ 総力特集』から考察

 こうした企画は、単に歌って踊るだけではない、マルチな活動を見せている彼女たちだからこそ成立する。モデルや女優など、多くの要素を持つ彼女たちを様々な角度から切り取ったり、それぞれの場面場面で関わる人びとの言質を得ることで、欅坂46というグループの魅力を多角的に検証しているのだ。

 それを考えるにつけ、ある決まり切った”路線”や”スタイル”にはめ込むことにこだわらず、メンバーの数だけある個性を輝かせることこそグループを面白くする秘訣なのだとつくづく思う。

 卒業者も相次ぐ状況だが、グループ活動を通して見出された能力を卒業後に活かしている者も多い。それは、グループに在籍していた期間に自身の個性を発見できたからに他ならない。アイドルグループはこのように”自分を発見できる場所”として機能していくべきなのだろう。

 巻末特集には昨年加入した二期生へのインタビューが掲載されるそうだ。未来の欅坂46を担う彼女たちが、今後グループにどのような魅力をもたらすのか、また、どんな自分を見つけていくのか、少しずつ読み取れるのではないだろうか。

■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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