SEVENTEENはエンディングなき成長を続けている CARATメンバー限定ショーケースレポ

SEVENTEEN、ショーケースレポ

 そして、会場の雰囲気が最高潮に達する中「Happy Ending」のステージへ。一人ひとりの歌声でつなぐソフトでロマンチックな導入部からパワフルなサビの群舞。「Happy Ending! Happy Ending! Hey!」とコールで答えるCARATたち。トークやコールの練習が伏線のように回収され、会場が一つになった瞬間だった。

 「SEVENTEEN! SEVENTEEN!」

 ステージを去るとすぐに湧き上がるアンコール。再びステージに登場したメンバーは、CARATへのメッセージソング「Love Letter -Japanese ver.」を笑顔で歌った後、一人ずつ挨拶をした。

エスクプス「今日は空が嫉妬する日なんじゃないかと思います。雨の中、こうしてきてくださり、感謝しています。タイトルは『Happy Ending』ですが、僕たちにエンディングはありません」

ウジ「みなさんひとり一人の『Happy Ending』のために、僕たち全員が努力します。『Happy Ending』をたくさん愛してくださいね」

バーノン「SEVENTEENとCARATが一緒なら、いつも『Happy Ending』。今回の曲でも幸せな思い出を作りましょうね」

 全員からのメッセージが終わりフィナーレを迎えたと思いきや、「CARATの方もこの方に熱いメッセージを送りたいと思ってるんじゃないでしょうか!」という古家の声と共に、テージの袖から小さなショートケーキが。6月10日が誕生日のジュンのサプライズパーティーだ。

 「ん?」という表情のジュンに、「本当のケーキはこれからだよ!」とステージの袖から似顔絵入りのフルーツがたっぷり乗った大きなバースデーケーキが登場する、ダブルサプライズ。会場のCARATがペンライトを高く掲げ、ジュンが左から吹くのにあわせ、手を下ろす。その様はまるで大きく輝くキャンドルが吹き消されるように美しかった。ジュンは「僕はBluetoothで消えるのかと思いました」と笑わせながらも、「うれしいですね」と笑顔を見せた。

 最後の曲は笑顔のジョシュアから始まる「Healing -Japanese ver.-」。ファンに手を振るディノ、肩を組むディノとホシ、ドギョムとジョシュア。そして自由奔放に踊りまくるバーノンとジュン。思い思いにステージを歩き、ジャンプするメンバーたち。「ありがとうございます!」と全員でしっかり手をつなぎ、深く一礼してステージを去っていった。

 3年前の初来日のライブからSEVENTEENを見続けて感じるのは、今も変わらぬ、初心を忘れない誠意と、メンバー同士の絆。一方で、毎回上達する日本語には驚かされる。キレが増すパフォーマンス、そしてCARATと呼応するトーク。エスクプスが語るように、彼らはエンディングなき成長を続けている途上。さらなる大きなステージが待ち遠しい。

(写真=(c)PLEDIS)

■桑畑優香
ライター・翻訳家。
94年『101回目のプロポーズ』の韓国リメイク版を見て、似て非なる隣国に興味を持ち、韓国へ。延世大学語学堂・ソウル大学政治学科で学ぶ。「ニュースステーション」ディレクターを経てフリーに。ドラマ・映画のレビューを中心に「韓国TVドラマガイド」「韓国語学習ジャーナルhana」「現代ビジネス」「AERA」などに寄稿。「韓流旋風」に映画コラム『ヨクシ! 韓国シネマ』を連載中。共著に『韓国テレビドラマコレクション』(キネマ旬報社)ほか。

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