『ONE MAN TOUR 2019-EX_MACHINA CLIMAX』ファイナル公演レポ

Crossfaithが提示したラウドロックの未来 五感を刺激する極上のエンターテインメントを見た

 昨年行った『World Tour 2018 : JAPAN』の新木場STUDIO COAST2デイズの初日(11月30日)を観たときも、観客と完全なる蜜月関係を築いたライブ映え抜群の新作ナンバーから、バンドが一回りも二回りも大きく成長していることを痛感した。この日はショウアップされた演出も相まり、ツアータイトル通りに終始クライマックスをキープし続ける異常な活気が渦巻く。

 「Wildfire」からTatsuyaの圧巻のドラムソロを挟んだ後、「Crossfaithは普通のロックバンドじゃない!」とKoieが言うと、「Wildfire Remix」をここで披露。スペーシーな映像と共に銀河系まで突き抜けるようなスケール感を帯びたパフォーマンスに体ごと吸い込まれそうであった。

 そして、「次の曲は一緒に歌ってほしい」と呼びかけると、バラード調の「Lost In You」へ。ステージから放たれるライトが天井で星形の光りを灯し、ロマンチックな曲調に華を添える。こうした細部のこだわりも感動に拍車をかけていた。

 「Crossfaith結成06年、それから13年が経った。俺たちはずっと海外しか見てなった。でも旅の途中でcoldrain、SiM、HEY-SMITHと出会って……彼らがいなければ今ここに立っていない」とKoieが長めにMCをした後、初めて東京でライブを行った10年前の渋谷サイクロン公演のことを忘れていないと付け加え、当時のライブ映像が流れる中で「Milestone」を披露。演奏中もUK最大のメタルフェス『Download Festival 2014』のメインステージに立ったシーンを含めて、世界各地のファンを熱狂させる映像が流れる中、ここZepp Tokyoを特大の合唱で埋め尽くす光景にも鳥肌が立った。

 「俺たちの古い曲を聴きたい奴はどれだけおるんや!」とKoieは言い放ち、「Mirror」、「Snake Code」、「Blue」の3曲をメドレー形式で聴かせ、ブルータル度アップの初期ナンバーに会場は興奮のるつぼと化す。後半も「The Perfect Nightmare」、「Daybreak」で惜しみなく強力ナンバーを畳み掛けて本編終了。アンコールでは再びサイレン音がけたたましく鳴り響き、「Freedom」、「Monolith」と本編を上回るカオスな盛り上がりを記録し、約1時間45分に及ぶショウは幕を閉じた。

 そう言えば、彼らは『EX_MACHINA』のキャッチコピーに「原点凌駕」という言葉を使っていた。本公演を観終えて、初期作を優に超えるヘヴィネスはもちろん、微に入り細を穿つ演出効果も手伝い、ラウドロックの「未来」を提示するような破格のショウとなった。Crossfaithはここからどう発展進化を遂げていくのだろうか、ますます興味は尽きない。視覚と聴覚、いや、五感を全ベクトルから刺激してくるラウドエンターテイナーっぷりに酔いしれた一夜であった。

(取材・文=荒金良介)

Crossfaith オフィシャルサイト

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