新しい地図 稲垣&草なぎ&香取が伝える“3つの力” 2020年へとタスキ繋いだ『パラ駅伝』を見て

激走の草なぎ「超気持ちいい!」

提供=日本財団パラリンピックサポートセンター

 「くらいついていきますよ!」、そう言って草なぎをライバル視していた猫ひろしが、草なぎより一足先にタスキを受け取り、さすがの走りを披露。「猫さん、速い!」、香取が思わず声を上げると、草なぎが負けじとタスキを受け取るやいなや猛ダッシュ! まるで短距離走のようなスピードで競技場を走り抜ける様子に、会場中が大爆笑。「大丈夫? そのペースで!?」と稲垣も心配しながら笑いを抑えきれず、香取は「スースー! 草なぎー!」と無邪気に応援する姿が印象的だった。

 だが、稲垣が懸念した通り、競技場を出た途端に草なぎの表情は曇っていく。キャイ~ン天野からも「信じられないくらい疲れた表情」と言われてしまう始末。そんな苦しい顔のまま再びトラックに戻ってくると、香取が「いけるだろ、そんなんじゃないだろ!」と叱咤激励。その声に、再び勢いを取り戻し、美しいフォームで走り出すのだった。

 次の走者であるダーマ(フィッシャーズ)にしっかりタスキを繋いで、ランナーの役目を終えた草なぎ。稲垣、香取がそばに駆け寄ると「ハァ、ハァ……超気持ちいい!」と晴れやかな笑顔。「感動したー! 応援してくれる人がいるからね。これひとりじゃできない! 自分と向かい合って、俺また頑張ろって!」と、大興奮。

 まるで少年のようなクリクリとした眼差しと純粋なコメントに、「なかなかこういう表情見れないよ」と稲垣。香取は「ハハハ!」と笑いが止まらない。そして「来年も、ぜひ草なぎを走らせてやってください」とコメントすると、草なぎも最初は「来年は吾郎さん、再来年が慎吾で」と言いながら、「調子に乗っちゃうんですよー! 今日から鍛えます! #今日からつよぽん! #来年もつよぽん」と来年も出場を快諾(?)するのだった。

感動のゴールに、草なぎは!?

フィッシャーズ

 過去、2回連続で優勝している栃木県・ベリーグッド とちぎが、序盤ではトップを許しながらも粘り強さを見せて、前人未到の3連覇を達成。また、初出場の熊本県・くまもとランナーズには、最終ランナー目前で繰り上げスタートの時間が迫る。みんなでランナーの名前を呼び、観客が声援を送り続けると、繰り上げ時間ギリギリのタイミングでタスキが渡されるという、感動的な展開も。

 そんなふうに各チームごとに様々なドラマが生まれながら、アンカーたちが次々とキャイ~ンのふたりが持つゴールテープを切っていく。そして残るは、“チーム i enjoy!”の最終ランナー、フィッシャーズのンダホのみとなった。大きな体と、慣れない車いすで、苦戦しながらもゴールを目指すンダホ。スタンドに集まった1700名を超える観客、そして参加ランナーやスタッフからも、自然と「ンダホ!」コールが上がる。

 フィッシャーズのメンバーもンダホと共にトラックを一緒に走りきり、見事ゴール! 草なぎが駆け寄って、マイクを向けると「ハァハァ、あの、ハァ、みなさんが応援してくれたんで、走ることができました…ハァハァ……パラスポーツ愛してくださーい!」と必死のスピーチを披露して、みんなが笑顔に。何度も言うように、“チーム i enjoy!”はオープン参加なので順位はつかない。だが、草なぎが何気なくつぶやいた「びりっけつ(笑)!」の言葉に、やはり優勝を狙っていたのだと思うと、愛しさが増す。

関連記事