細野晴臣、『HOCHONO HOUSE』制作体験とルーツを体現した音楽世界 中野サンプラザ公演レポ

 グッドラックヘイワ(伊藤大地+野村卓史)による「The Typewriter」(ルロイ・アンダーソン)のカバー、高田漣の「ハロー・フジヤマ」(3月6日リリースの新作『FRESH』収録)を挟み、ライブは後半の“ブギウギ”セクションに。『HOSONO HOUSE』収録曲「CHOO−CHOO ガタゴト」、『泰安洋行』収録曲「PomPom蒸気」からはじまり、「こういう感じの曲はやりやすいですね。次は……あ、もっとやりやすい(笑)」というMCから、いまやおなじみになった「Ain’t Nobody Here But Us Chickens」「Tutti Frutti」へ。演奏のテンションもさらに上がり、心地よい高揚感がゆったりと広がる。「ブギウギは楽しいので、みなさんもやってみたらいいですよ」という細野も、いつも以上にご機嫌だ。

 本編ラストは「Body Snatchers」(アルバム『S・F・X』)、「The House Of Blue Lights」(アルバム『Heavenly Music』)。アンコールでは「香港ブルース」(アルバム『泰安洋行』)、「相合傘」(『HONOSO HOUSE』)、そして、「東京だから、特別にもう1曲」と、やはり『HOSONO HOUSE』の収録曲「ろっか・ばい・まい・べいびい」を披露、大きな拍手と歓声のなか、ライブは幕を閉じた。

 “自身のルーツである20世紀中盤を再発見する”というこれまでのテーマを踏襲しつつ、『HOSONO HOUSE』の奥深い魅力を改めて体現した今回のツアー。待望の新作『HOCHONO HOUSE』をはじめとする50周年の活動への期待がさらに高まるステージだった。

(文=森朋之)

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