赤坂BLITZ、ライブハウス営業終了へ 「赤坂エンタテインメント・シティ構想」で街全体が進化?
東京のライブハウス、マイナビBLITZ赤坂(赤坂BLITZ)がライブハウス営業を終了すると報じられ、ネットを中心に驚きの声が上がっている。
赤坂BLITZは1996年に初代施設がオープンし、2003年に再開発計画のため一旦閉鎖、2008年に現在地にて再オープン。収容人数はオールスタンディングで1,418名、複数地下鉄駅が最寄りで利便性も高く、これまでも国内外問わず数々のミュージシャンたちが赤坂BLITZのステージに立ってきた。ワンマンライブを行う会場規模の一つの目標に赤坂BLITZを掲げるミュージシャンも少なくない。
赤坂BLITZを保有する株式会社東京放送ホールディングス(TBS HD)が1月30日、「グループ中期経営計画 2020」の中で『TBSシナジーを生む総合メディア戦略』の一環である「赤坂エンタテインメント・シティ構想」を明らかにしたことから報じられた今回のライブハウス営業の終了。報道資料によると、「赤坂エンタテインメント・シティ構想」は、同社が総合メディア企業として発展していくための事業基盤形成の一つとして位置付けられているという。
TBS HDは「国際新赤坂ビル」の再開発に向けて、三菱地所株式会社と共同事業協定を締結。それに加え、TBS放送センター、TBS赤坂ACTシアター、マイナビBLITZ赤坂、赤坂サカス、赤坂Bizタワーがある一帯に隣接するビル、ザ・ヘクサゴンを取得。それらを再開発エリアとまとめて「赤坂エンタテインメント・シティ」とし、「リアルな場としてのメディア機能を拡充し、次世代ライブエンタテインメントの発信拠点を創設していく方針」とのこと。さらには、赤坂を「世界最高の感動体験を届ける街」にしていくという。
その構想の中で、赤坂BLITZは、観覧機能付きスタジオに刷新、TBSテレビに親しむことができるリアルな場としていく計画があると書かれている。同局のバラエティ・情報番組の収録利用はもちろん、ライブ環境の整ったステージから臨場感あるライブパフォーマンスを届ける音楽番組などが出てきても面白いだろう。なお、現時点で赤坂BLITZの営業終了時期については未定で、代替施設についての検討もあるという(参照:Jタウンネット)。
さらに前述の報道資料によると、今後、「最先端の技術を駆使した体感型の集客施設」や「サカス広場と連携して開催するメディアフェスティバル」、「メディア芸術系の人材育成やインキュベーションの取り組み」などについても検討していくとある。都内のコンサート/ライブ会場不足が叫ばれる中、親しんだ赤坂BLITZがライブハウスの役目を終えることに不安や寂しさを覚える音楽ファンもいることだろう。しかし、赤坂から新たなライブエンターテインメントが発信され、音楽をはじめとする日本のエンタメ全体の活性化が行われていくというのは、実に夢のある話なのではないだろうか。