新しい地図は再び新しい時代を切り開く 稲垣&草なぎ&香取の歌う姿に感じたエネルギー

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の新たな一歩を歌った映画『クソ野郎と美しき世界』の楽曲たちが、1月1日の『7.2 新しい別の窓』(AbemaTV)では、2019年の幕開けを祝う歌となってプレイバックした。劇中に登場したダンスフロア“クソユニバース”を再現し、〈世界のどこかに/きっとNAKAMAがいるはず/ひとりじゃないぜ/笑ってみるさ〉と声高らかに歌う「新しい詩」は、年齢も、性別も、職業も、体や心の自由・不自由さをも飛び越えて人々が集い、踊る、ユートピアのような世界観だ。

 この曲が示すのは、喪失からの出発。平成という時代が終わろうとしている今、誰もが感じている空虚感にもマッチしている曲かもしれない。何かが終われば、何かが始まる。その原動力となるのは、つながる喜びにある。その後のライブでは新しい地図を広げた3人が、この1年を通じて紡いできた人と人とのつながりが、メドレーとなって繰り広げられた。

 新曲「#SINGING」の作詞・作曲を手がけた現役中学生トラックメイカーのSASUKEと3人が音と遊ぶようにダンスを披露。そして、稲垣のソロ曲「SUZUNARI」を生み出した川谷絵音がしっとりと情緒たっぷりにピアノを弾く。香取&草なぎは、ぼくのりりっくのぼうよみが手がけた「KISS is my life.」をのびのびと歌い上げる。そこに集うのは、今や“ななにーファミリー”とも言うべき、毎月のようにゲスト出演してくれるキャイ~ンやみちょぱ、そして個性豊かなオーディエンスと、その様子を見守る視聴者たち。すべての人に、新たな希望を! そんなエネルギーに溢れたライブだった。

 彼らが歌う姿には、多様性を尊重する柔軟さが漂う。その多様性の中には、今この瞬間ハッピーを感じられていない人もいるということも含まれる。正月だからといって、世の中の理不尽さや不公平が一気になくなるわけではない。どうしようもないことが起きたり、大切な何かを失って打ちひしがれたり、歓喜に湧く人々の声が煩わしく感じたり、そんな自分自身が面倒だと思ったり……そんな“クソ”な状態は変わらない。それでも、どこかにわかってくれる人はいる、いつかは光が差す日が来ると信じてみるところから始めよう、そんなメッセージが心をじんわりと温めてくれるのだ。

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