橘ケンチ『Discover Japan』イベントで手造り日本酒振る舞う 「日本酒の魅力を伝える語り部に」

 橘ケンチ(EXILE / EXILE THE SECOND)が12月14日、『Discover Japan』編集部が主催する『Discover Japan』独立出版リリース記念イベントに登壇し、自身が造った日本酒「亜麻猫橘(よみ:あまねこたちばな)」についてのトークショーと試飲会を行った。

『Discover Japan』1月号

 『Discover Japan』は、日本の「モノ」、「コト」、「場所」、「人」の魅力を再発見する雑誌で、12月6日に発売された1月号は、エイ出版社から新たに独立した株式会社ディスカバー・ジャパンより出版されている。橘ケンチは、革新的な酒蔵として名高い新政酒造とコラボレーションして日本酒「亜麻猫橘」を造り上げ、同誌の「風土を醸す酒」特集に登場。今回のイベントは、株式会社ディスカバー・ジャパンの独立と日本酒「亜麻猫橘」の完成を記念して行われた。

 「風土を醸す酒」特集は、橘ケンチが約一年半に渡って同誌で連載してきた「橘ケンチの今宵のSAKE」の集大成ともいえる内容で、これまで巡ってきた酒蔵を振り返りつつ、お勧めの日本酒を独自のエピソードとともに数多く紹介している。橘ケンチは「青木さんという方がやっている鶴齢(新潟県魚沼市)という酒蔵は300年も続いている。さらに長いところでは、500年という歴史を持つ酒蔵もある。海外から見ても、これほど長い歴史を持つ企業は珍しい。日本文化を知りたいという気持ちもあり、日本酒の世界にハマっていった」と、日本酒に興味を抱いたきっかけを明かす。すると、『Discover Japan』編集長の高橋俊宏氏は、「『Discover Japan』の読者は40代の方が中心だが、ケンチさんが登場してくれて若い方も読んでくれるようになった。酒蔵の方は、もっと若い人に日本酒の魅力を知ってほしいと願っている。ケンチさんは、日本酒の魅力を伝える語り部になる」と連載の意義について語った。

 連載の担当編集者である渡邊一平氏に、特に印象に残っているエピソードを聞かれると、橘ケンチは、「子どもの頃にアイスを買いに通っていた、横須賀の掛田商店というお店が、実は日本酒の世界では有名なお店だった。現社長の掛田薫さんのお父さんはすごい人で、全国を周って自分の足と味覚で良い日本酒を卸していたそう。そういう熱い気持ちを持って働いている人をもっと紹介していきたい」と述べ、「日本酒にハマると、お米の産地や酒器にも興味がわく。総じて、日本酒を知ることは、日本文化を知るということ」と、改めて日本酒の魅力をアピールした。


 今年9月、日本酒と日本文化の素晴らしさを世界に広める尽力者に与えられる称号「酒サムライ」の叙任者になったことを受けて、最近は和装で同連載に登場している橘ケンチは、「日本酒と日本文化を世界に発信するには、和装がふさわしいと思った。着物を着ると、人の見る目も変わるし、男性は帯さえ結べれば大丈夫なので、ぜひ着てみてほしい」と、その魅力も伝える。また、富山県富山市東岩瀬町では桝田酒造店が中心となり、酒器を作るガラス職人など、日本酒にまつわる様々な仕事を創出している例をあげ、日本酒の持つ可能性をさらに強調した。

 今回、自ら日本酒造りをする上で新政酒造とコラボレーションした理由を問われると、橘ケンチは、「どこの酒蔵にも個性があり、杜氏の方にも真面目な方、フランクな方など、様々なタイプの方がいる。その中で新政酒造を選ばせていただいたのは、哲学や情熱、そしてチャレンジ精神という意味で、代表の佐藤祐輔さんの姿勢に感銘を受けたから。自分の手で造ることでより深く日本酒造りを理解できると考えて、秋田まで行って直談判して、全ての工程に携わらせていただいた」と回答。「亜麻猫橘」のラベルには、橘ケンチ自らが執筆した新政酒造の紹介文も記載されているので、手に取った際は確認してみてほしい。

 イベントの後半では、いよいよ「亜麻猫橘」の試飲会へ。「亜麻猫橘」は、柑橘類を思わせるフルーティーな酸味があるのが特徴で、揚げ物や濃厚な味わいの食材に良く合う。コシが強いため、炭酸水で割って楽しむのもお勧めだそうだ。参加者には、「亜麻猫橘」にぴったりなおつまみとして、意匠を凝らした手まり寿司も振る舞われた。

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