ジャニーズとハロプロ、グループ/ユニット名の特徴は? 独特のセンスから考える両者のスタンス

 さて、冒頭の話題に戻ろう。

 BEYOOOOONDSの「O」を連打してインパクトを出しつつそれでも「s」が付く折り目正しさや、CHICA#TETSUと雨ノ森 川海から受けるおなじみの違和感はいかにもハロプロ的だ。ただ「超える」という意味合いを込めたグループ名、そして歌とダンスだけでなくパフォーマンスや演劇に力を入れていく両ユニットのコンセプトからは新分野開拓の意欲が伝わってくる。

 なにわ男子はKinKi Kidsや関ジャニ∞のように関西というアイデンティティにこだわったこれも「らしい」名前だが、そのシンプルさには最近の原点回帰傾向も見える。「ジャニーズ」の名が入っているジャニーズWESTや光GENJIを思い出させるKing & Princeはまさにそうだろう。

 ジャニー喜多川がマイケル・ジャクソンのセクシーさをイメージしたというSexy Zoneも基本的にシンプルかつ原点回帰的なグループ名だ。同時に、国際的な舞台での活動が意識されてもいる。そこにSexy美少年がどこまで絡んでくるのかは現時点わからないが、ジャニーズが強く意識しているのがうかがえる2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けてグローバルに発信する活動も期待できるのではないだろうか。

■太田省一
1960年生まれ。社会学者。テレビとその周辺(アイドル、お笑いなど)に関することが現在の主な執筆テーマ。著書に『SMAPと平成ニッポン 不安の時代のエンターテインメント』(光文社新書)、『ジャニーズの正体 エンターテインメントの戦後史』(双葉社)、『木村拓哉という生き方』(青弓社)、『中居正広という生き方』(青弓社)、『社会は笑う・増補版』(青弓社)、『紅白歌合戦と日本人』『アイドル進化論』(以上、筑摩書房)。WEBRONZAにて「ネット動画の風景」を連載中。

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