打首獄門同好会、日本武道館ワンマンでみせた13年半の軌跡とバンドを囲む大きな輪

打首獄門同好会、日本武道館ワンマンでみせた13年半の軌跡とバンドを囲む大きな輪

 心踊る春の陽気に、水面煌めく千鳥ヶ淵。「獄」のプリントを背にしたファンが、日本武道館を目指す姿はやはり異様だーー。打首獄門同好会が、3月11日に日本武道館にてワンマンライブ『打首獄門同好会 at 日本武道館』を開催した。アンコール含め全23曲、2時間半を超えるバンドの集大成と呼ぶべき超濃厚ライブである。

 「結局10年やっていると、ライブハウスで一緒にやっていた仲間も、ほとんどいなくなってきているんですよ。だから、居場所としては自然とそっちでやっている人たち、大きいステージでやっている人たちとやれたら面白そうだなっていう。商売っ気抜きに、そうなりたいなっていうのは、ちょっと思いますよね」ーーこれは3年半前、打首が10周年記念ベストアルバム『10獄~TENGOKU~』をリリースした際の、大澤敦史(Vo / Gt)の言葉(RIZEのKenKenらも注目する打首獄門同好会 “生活密着型ラウドロック”のルーツと魅力とは?)。結果、打首は結成から13年半という歳月を経て、“大きいステージ”へと辿り着いた。打首が武道館を満員にする。そんな未来をどれだけの人が予想できただろうか。けっして、派手な露出があったわけではない。キャッチーでポップでいて、重厚なヘビーメタル。“生活密着型”をテーマに、マイブームを共感できる歌詞へ、絶妙な笑いのエッセンスを混ぜて楽曲として届ける。ライブバンドとして愚直とも言える打首のスタイルは、多くのバンド仲間に、ファンに愛され、武道館のライブへと結実されていった。

 今回の武道館公演が発表されたのは、昨年3月に新木場STUDIO COASTで行われた全国ツアー『やんごとなきツアー』最終公演でのことだった。「目指せ武道館!!2017-2018 戦獄絵巻」と題した4つのプロジェクト「夏・秋・冬・春 連続リリース」「47都道府県ライブ全国制覇!」「フェス全国制覇!」「10獄放送局大型新企画始動!」を見事完遂し、打首は武道館のステージへと立つ。「さぁ、あの日に約束した宴を始めよう」と、1年に渡る戦獄絵巻の歩みを歌った楽曲で、いよいよ開幕の火蓋が切って落とされた。

 記念すべき武道館公演の1曲目は、打首のお祭りソングこと「DON-GARA」。ゲストには秋田のフェス『OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL』から男鹿ナマハゲ太鼓が登場し、和太鼓にて打首のバンドサウンドを勢いづける。今回のライブの特徴は、肉も、魚も、デザートも、全て食べたい! というような貪欲をガツンと満たしてくれる全盛りのセットリストにある。大澤の「冷蔵庫のプリンを盗まれたことはあるかい?」という問いかけから始まった「TAVEMONO NO URAMI」では、ステージ上に8つの松明が点灯し、フロアはヘドバンの海と化す。「島国DNA」「ニクタベイコウ!」「ヤキトリズム」は、魚・焼肉・焼き鳥の動物性たんぱく質繋がりの3連続。「花いちもんめ」のメロディを取り入れた「ニクタベイコウ!」では、左右に分かれての花いちもんめを彷彿とさせるウォールオブデスが巻き起こる。

 魚への溢れる愛を歌った「島国DNA」では、6つのアリーナブロックによる対抗戦「まぐろコンテスト」が開幕。元気に、優雅に、マグロのぬいぐるみを踊らせたブロックには、(コンテストがあったことすら忘れた)終演後に「マグロチャンピオンステッカー」が強制的に渡されるというプログラムだ。審査員には、フィッシュロックバンド・漁港の森田釣竿(Vo)が登場。森田曰く、「高さ・飛距離・回転」が審査の基準になってくるという。6匹のマグロがそれぞれの波に乗る中、森田の「ここからはポイント2倍チャーンス!」という合図で、マグロはさらに荒々しい波を気高くジャンプ。審査の結果、優勝はB2ブロックに決定。筆者も、席から一番近いB2ブロックに注目していたが、ポイント2倍の時間にクルクルと美しく、高く飛んでいたことが評価されたと見る。

コラムPick Up!

もっとみる

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

映画部Pick Up!