JUN SKY WALKER(S) 宮田和弥が語る、30周年のムードとビジョン「4人で突破していきたい」

ジュンスカ宮田が語る、バンドの30周年

ユーミンの曲は、ジュンスカのメロディの原点

ーー松任谷由実さんの「Hello,my friend」はこのアルバムで唯一のシンガーソングライターの楽曲。この曲はどうして選ばれたんですか?

宮田:森くんと呼人はユーミンが大好きなんです。昔、森くんがインタビューで「ジュンスカの音楽は、ユーミンのメロディにラモーンズのサウンドをくっつけたんだ」と言っていて。ユーミンの曲は分数コードや7th、9thのコードが使われてますけど、それを削ぎ落として3コードに収めて表現したのがジュンスカなんだと。森くんはピアノを弾きながらメロディを作るんですよ。あとはスピードを上げるか、上げないか。上げた曲が「全部このままで」や「歩いていこう」で、スピードを上げないで形にしたのが「声がなくなるまで」や「白いクリスマス」なので。だからユーミンの曲は、ジュンスカのメロディの原点なんですよ。アレンジはakkinにお願いしたんだけど、ジュンスカっぽい仕上がりになってるからね。

ーーそしてTHE MODSの「ゴキゲンRADIO」。ジュンスカのパンクスタイルは、THE MODSからの影響が強いのでは?

宮田:そうですね。僕が初めて買ったレコードがTHE MODSの『FIGHT OR FLIGHT』(1981年)なんですけど、当時は「クラスのなかでTHE MODSを最初に見つけたのは俺だ」って思ってたんですよ(笑)。小林、ジュンスカの初代ベーシストの伊藤毅も同じクラスだったんだけど「RCは伊藤が見つけてきて、THE MODSは俺」っていう。パンクファッションもマネしてましたね。ジョー・ストラマーのスタイルを森山達也さんが取り入れて、それを僕が受け継いで。ラバーソウルの靴を履くようになったのも、森山さんのマネですから。

ーー続いてはスピッツの「楓」。ジュンスカが原宿のホコ天でライブをやっていた頃、草野マサムネさんが森純太さんにデモテープを渡したそうですね。

宮田:そう、だから森くんは昔から付き合いがあるんです。この曲は本当に難しかったですね。とにかくキーが高いし、草野くんはミックスボイスというか、ファルセットを交えた歌い方だけど、僕は地声のまま最後まで歌い切るスタイルなので。すぐに声が枯れそうになったし、命がけで録りました(笑)。メロディと歌詞の組み合わせ方、曲全体の世界観を含めて、本当に唯一無二だなって改めて感じましたね。

ーーそしてザ・ルースターズの「FADE AWAY」。

宮田:ザ・ルースターズも中学生の頃から聴いてたし、ジュンスカのときにイベントで“スールターズ”というコピーバンドをやったことがあって。確かベースはEBI(ユニコーン)だったのかな? 同じイベントで森くんと(奥田)民生がKISSのコピーやってたんですよ。もちろん「FADE AWAY」もやってたし、しっかり体に入ってますからね。レコーディングもすごくスムーズでした。“めんたいロック”(サンハウス、シーナ&ザ・ロケット、ARB、THE MODS、ザ・ルースターズなど、福岡出身のロックバンドの総称)はもちろん自分たちのルーツになってるんだけど、ザ・ルースターズはちょっとオシャレな雰囲気があって、ポップな要素もあって。そういう部分からも影響を受けてますね。

ーーMONGOL800の「あなたに」も収録。モンパチとも交流があるんですか?

宮田:そうですね。ジュンスカのファンの人たちから「モンパチ、いいですよ」という声を聞くことも多かったんですよね。日本語の歌詞だったり、メロディの感じもジュンスカと共通するところがあるみたいで。(上江洌)清作君と初めて会ったのは『ジョン・レノン スーパー・ライブ』のときで、去年も僕のラジオ(『宮田和弥のNAUGHTY BOY』 FM OH! (FM OSAKA))に来てくれたりして。カバーアルバムの曲を決めてるときに「下の世代のバンドの曲も入れたいね」という話になって、満場一致でモンパチになったんですよ。「あなたに」の歌詞も僕らが演奏してぜんぜん不自然じゃないし、すごく楽しかったですね。

ーーアルバムの最後はMr.Childrenの「星になれたら」。

宮田:ミスチルがデビューしたとき、事務所もレコード会社も僕らと同じだったんですよ。ジュンスカの学園祭ツアーのオープニングアクトがミスチルだったり、僕の結婚式のときに桜井(和寿)が「抱きしめたい」という曲を作ってくれたこともあって。本当は披露宴で演奏してもらうはずだったんだけど、披露宴が押して演奏できなかったんです(笑)。いまやスーパーバンドですけど、寺岡はずっと付き合いがあるし、今回のカバーアルバムで1曲やらせてほしいなと思って。「星になれたら」はミスチルのファンの間でも人気があるし、寺岡が作曲に参加しているから、いちばんいいかなと。最後の〈虹になれたらいいな〉のところはジュンスカの「すてきな夜空」の雰囲気でアレンジしてるんですよ。アルバムの締めにふさわしいカバーになったと思いますね。

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