姫乃たま『音楽のプロフェッショナルに聞く』008 飲み屋 えるえふる
姫乃たまが「飲み屋 えるえふる」で聞く、新代田に根づく音楽と食のコミュニティ
人をつなげる空間としての、えるえふる
ーーぱたぱたっと開いたお店ですが、これまでの2年半はどうでしたか?
會田:もう2年半かー。僕は居酒屋が大好きですけど、自分が料理人になるなんて思ったこともなかったし、今でも料理を極めるみたいなことは全く考えてなくて、それより、えるえふるを何かの場にしたいなとずっと思ってて。ミュージシャンに料理を作ってもらったりしてきたんですけど、この間cinema staffの三島(想平 / Ba)くんがやった時なんて、ね!
辻:はははは、すごかったですね!
會田:カレー作ってもらったんですけど、100杯とか売れてすごかったです。昼過ぎに店を開けたんですけど、夕方には売り切れちゃいました。あの日は繁盛店みたいだった(笑)。
ーー大衆酒場マニアのパリッコさんもイベントされてましたね。
會田:その日はラズウェル細木さんも来てくれて、大人な感じのまた違った盛り上がりで面白かったです。
ーーここでライブもされるんですか?
辻:昼だけなんですけど、弾き語りのライブをやりましたね。
會田:年に3、4回くらい。
ーー季節の変わり目に(笑)。ライブのついでに飲んでいく人が多いと思うのですが、反対に飲みに来てただけの人が音楽好きになることもあるんですか?
辻:レコードを聴くようになった人がいます。ここでレコード買ったことでプレイヤーを買って、それから毎月2、3枚レコード買ってくれてます。嬉しいですね。
ーーすごい、もはやご自宅の棚に小さいLike a Fool Recordsを持ってる感じですね。
會田:最近、音楽はデータで買うか、ネットでCDを買う人が増えてると思うので、気軽に飲みにきて、久しぶりにCDとかカセットテープの棚とか見てくれると嬉しいですね。(辻さんに目線)
辻:……えっ?! その通りです(笑)。いろんな人が繋がっていくことが本当に店を始めてよかったことですね。レコード見に来た人と、飲みに来てる人が、いつの間にか仲良くなってたりして、僕にも紹介してくれて。
會田:お店始める前と後だと、すごい人間関係広がったもん。劇団「ロロ」に「ロロ酒場」っていうのをやってもらったことがあって、その時に酒の席で話してたことが、劇団の企画になったこともあったみたいで。
ーーえるえふるに来ると本当に気がつくと違うテーブルで知らない人と飲んでますね。
會田:立ち飲み屋の面白いところです。
ーーこれからもっとやっていきたいこととかもあるんですか?
會田:つい先日(2017年12月)環七挟んで店の向かいに新しいスペース(YACHT)ができたので、ますます賑やかになりそうで楽しみです。うちは基本的には変わらないけど、僕が紹介したい音楽もあるっちゃあります。いままでは飲み屋につきっきりで、レコードのほうには集中できてなかったので。あとはトークショーなら夜でもできるので、イベントもどんどんやっていきたいですね。
ーーということは、辻さんも料理をして……。
辻:それはないです(笑)。
■飲み屋 えるえふる
〒155-0033 東京都世田谷区代田5丁目28-3
電話番号:03-6883-7180
営業時間/19:00~24:00(月~金)17:00~24:00(土日祝)※14:00~の場合もあり、詳しくはTwitterにて/不定休
■姫乃たま(ひめの たま)
地下アイドル/ライター。1993年2月12日、東京都生まれ。16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへの出演を中心に、文筆業も営む。音楽ユニット「僕とジョルジュ」では、作詞と歌唱を手がけており、主な音楽作品に『First Order』『もしもし、今日はどうだった』、僕とジョルジュ名義で『僕とジョルジュ』『僕とジョルジュ2』、著書に『職業としての地下アイドル』(朝日新聞出版)『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)がある。7インチレコードやカセットテープなど、様々なメディアで音楽を発表しており、地下アイドルとしても枠にとらわれない活動を展開している。
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