TWICEは“ポップミュージックの未来”を示している 日本デビューへ寄せる期待
K-POPシーンに、また新たなムーヴメントが巻き起こっている。5人が韓国出身、3人が日本出身、1人がCHINA-Tainan出身の9人組・TWICEは、これまでのK-POPの潮流を受け継ぎつつ、ポストEDMへと向かう最新型のダンスミュージックともリンクし、さらにはアイドルポップスの在り様までも更新している、期待の大型新人グループだ。すでに日本の女子高生の間で、彼女たちの振り付け「TTポーズ」が人気になっていることで、彼女達の存在を知っている方も少なくないだろう。6月28日の日本デビューに先駆けて、K-POPの最終兵器・TWICEの音楽的魅力を改めて紹介していきたい。
K-POPは近年、日本の音楽シーンにも大きな足跡を残してきた。少女時代とKARAは、2011年『第62回NHK紅白歌合戦』への出演を果たすなど、日本中に一大ムーブメントを巻き起こし、iKONは2016年の『第58回日本レコード大賞』で新人賞を受賞、EXOは女性ファッション誌『non-no』と『RAY』の表紙をダブルで飾る人気ぶりで、BIGBANGのコンサート動員力はもはや国内トップクラスだ。その華やかでスタイリッシュなパフォーマンスは、多くの若者、特に女性たちから熱心な支持を集めてきた。
しかし、筆者も含めたポップミュージックを愛する者にとって、K-POPがもたらした最大の衝撃は、実はそのサウンドにおける「音圧」だった。山下達郎氏も言及していたが、K-POPのマスタリングは革新的で、少女時代が2009年に発表した「Genie」は多くのリスナーを驚かせた。彼女たちは、アイドル的な魅力を保ちながら、音の鳴り方が命と言える最新のダンスミュージックと同じ音圧を手に入れてしまったのだ。まさに、K-POPが“世界水準”のポップミュージックとなった瞬間だった。そして、この度のTWICEの登場によってK-POPはさらに驚くべき進化を遂げたのである。
TWICEは、2015年に新しいガールズグループをデビューさせるというTVのオーディション番組『SIXTEEN』から誕生、多国籍でありながら自然体のキャラクターが大受けし、同年10月にタイトル曲「OOH-AHH하게」含む1stミニアルバム『THE STORY BEGINS』で韓国デビュー、新人女性歌手の中でアルバム売上枚数1位を記録し、各種ストリーミングでも圧倒的な再生数を誇った。そして2016年4月に満を持してリリースされた2ndミニアルバム『PAGE TWO』も大ヒットし、タイトル曲「CHEER UP」のMVは、K-POP史上最短でYouTubeの再生回数一億回を記録、その年の韓国で最も聴かれた楽曲となった。その勢いのまま、同年10月に発表された最新ミニアルバム『TWICEcoaster : LANE 1』のタイトル曲「TT」も、音楽チャートの一位を総ナメし、自らのYouTube再生記録をまたまた塗り替えてしまう。インターネットの爆発力も味方に付けたTWICEは、たった一年でモンスター級の国民的アイドルグループになったのだ。
愛嬌溢れるキャラクターと抜群のルックスが、人気の一翼を担ったのは間違いない。しかし、そのアイドル性を本当に支えているものは、なんといっても楽曲の力ではないだろうか。“TWICEサウンド”としか言いようがないジャンルレスな楽曲たちは、あらゆる音楽が並列で聴かれるようになったストリーミング時代に鳴るべくして鳴らされた新たなポップミュージックであり、TWICEはその旗手としてこそ、輝かしい魅力を放っているのである。