福山雅治がニューオーリンズでセッション! ジャズから学んだ“即興性”をどう生かす?

 日本では明るく陽気な歌として知られている楽曲「聖者の行進」は、元々、奴隷時代からの黒人霊歌として歌われていたもの。1920年代に多くのコーラスグループが歌って注目が集まり、ニューオーリンズが生んだ“ジャズの神様”と呼ばれているルイ・アームストロング、通称サッチモがジャズにアレンジして全国に広めた。そしてこの曲は、ハリケーンの災害から、やっと街に戻れた人々が最初に演奏した、ニューオーリンズが再び歩き始めるきっかけとなった曲でもある。総勢50名のトレメブラスバンドに囲まれながら披露したセッションで福山は、ソロパートで再び即興を披露。「初めて本物のニューオーリンズジャズという音楽に触れて、そしてグルーヴに触れてこの瞬間を楽しまなきゃって興奮して演奏できました」と述べていたように、ジャズを心から楽しもうという思いや、数々の悲しみを乗り越えてきた音楽からパワーをもらっているような福山の表情が印象的だった。

 今回、福山が、“即興”によって感情を自由にのびのびと表現することができるジャズに触れたことは、これから彼が生み出していく音楽にも影響を与えるだろうか。悲しみを希望へと変える音楽の力を改めて感じた彼が、今後、私たちに届けてくれる新たな音楽を楽しみに待ちたい。

(文=大和田茉椰)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる