『「百六十度」ツアー2017~東名阪ワンマンライブ』レポート

ヒグチアイがワンマンで体現した“決意とユーモア” 強力サポート陣との一夜をレポート

 ところで、『百六十度』というタイトルは、「人間の視野が200度である」という説を知ったヒグチが、その視野から漏れた“残りの160度”の中に存在し、自分を支えてくれている人たちのことを、大切に思って付けたものだという。今いるこの場所は、それまでの日々があったからこそ、たどり着けた場所。そう思えたならば、辛い過去ですら全て愛おしくなるはずだ、と。

<ゴー ストレート 君の道は 分かれたり 下ったり それでも ゴー ストレート 間違いじゃない そのおかげで 僕ら出会えた>

 彼女の代表曲であり、この日の演奏もハイライトというべき素晴らしいものだった「まっすぐ」(前作『全員優勝』収録)の中で、ヒグチはそう歌う。いつか自分の本当の居場所を見つけ、全てを許せる日が来るまで暗闇の中を歩き続けよう、常にユーモアも忘れずに。そんな、彼女の“決意”を感じさせるような一夜だった。

■黒田隆憲
ライター、カメラマン、DJ。90年代後半にロックバンドCOKEBERRYでメジャー・デビュー。山下達郎の『サンデー・ソングブック』で紹介され話題に。ライターとしては、スタジオワークの経験を活かし、楽器や機材に精通した文章に定評がある。2013年には、世界で唯一の「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン公認カメラマン」として世界各地で撮影をおこなった。主な共著に『シューゲイザー・ディスクガイド』『ビートルズの遺伝子ディスクガイド』、著著に『プライベート・スタジオ作曲術』『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』『メロディがひらめくとき』など。

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■ライブ情報
『ヒグチアイ「百六十度」ツアー2017 〜二百度編〜』
2017年2月4日(土)広島ヲルガン座(広島)
2017年2月10日(金)米子AZTiC laughs(鳥取)
2017年2月12日(日)松江AZTiC canova(島根)
2017年2月18日(土)水戸ミネルバ(茨城)
2017年2月19日(日)甲府KAZOO HALL(山梨)
2017年3月3日(金)新潟GOLDEN PIGS YELLOW STAGE(新潟)
2017年3月4日(土)音楽酒家 村門(富山)
2017年3月5日(日)金沢もっきりや(石川)
※各地の対バン、チケット販売方法等の詳細、その他の会場は決まり次第、オフィシャルサイトにて発表

ヒグチアイオフィシャルサイト

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