16thシングル『サヨナラの意味』リリースインタビュー(2)
乃木坂46 伊藤万理華&井上小百合が語る“表現者としての充実”とミリオン達成でも変わらないもの
「舞台を経て、自分のホームは乃木坂にあるんだと実感した」(井上)
――2016年は個人としての手ごたえを、どのようなところで感じましたか?
伊藤:個人の活動でいえば『MdN』での連載は1年半を超えて、ここまで続いてるんだなって実感が最近わいてきています。あと、グループの活動としていうと、私はライブがないとだめなんだって思いました。2016年は2月にバースデーライブがなかったじゃないですか。まいまい(深川麻衣)の卒業コンサートが静岡であって、そのあと全国ツアーがあってというのが久しぶりの大きなライブで。だから、ここで全力で見せてやろうって思って。その意識でパフォーマンスしたら、それが伝わってたみたいで、ライブが終わったあと、そのことで取材があったりしたんですよね。ライブのパフォーマンスに注目してもらえて、良く見えましたよと言ってもらえたのがすごく嬉しくて。見てる人がいてくれるという驚きと感動とがありましたね。
――自分が意志を持って動いたことが、見る側にも伝わったんですね。
伊藤:連載で関わった方や、乃木坂の映像作品で関わってきた監督さんとまたお仕事ができたりということも含めて、自分が行動に示したことがわかりやすく結果に出て、これはすごく充実している証拠なんだなと思いました。アンダーライブも舞台出演もそうですけど、大きなイベントに一個一個目標を持って臨んだことの成果が現れたし、それは個人として好きなものごとにもつながっていくから。そういうことがすごく嬉しかったなって思いがあります。
――井上さんは昨年、『『帝一の國』-血戦のラストダンス-』や大人のカフェ『飲みかけで帰ったあの娘』など外部出演も含めて、舞台での活動がさらに充実した一年だったように思います。
井上:アイドルの活動をしながら、舞台に年間4つも出演させてもらえるのは普通のことではないですよね。外の舞台ではベテランの俳優の方々が周りにいて、私を知らないお客さんたちが座席にいて、来場者アンケートでもストレートに厳しい意見を書いてくれて、という環境が、自立心を育てたというか。でも一時期、舞台の稽古や本番に追われてグループの活動に関われない時期があって、メンバーから「乃木坂じゃなくて舞台の人だよね」って言われたり(笑)。だけど、メンバーが観に来てくれるとすごく嬉しいし安心するし、やっぱり自分のホームは乃木坂にあるんだと実感しました。他にも、特撮ヒーロードラマの『動物戦隊ジュウオウジャー』のゲスト出演もさせてもらったり、万理華と二人でのショートムービーがあったり、自分の好きな仕事をいくつもできていることがありがたいですし、この一年間を通して自分のしたいこと、好きなことがいろいろ発見できました。
――たとえば『大人のカフェ』では本格的にコントを上演する舞台でしたし、外部出演の幅も広くなっていますよね。
井上:セリフの量も半端なかったし、舞台上に出っぱなしだから休むところもあまりないし、女子が1人だけなので自分の課せられてる役割も大きくて、いろんなことを感じられましたね。自然な日常会話の話し方に見せながらも、けっこうな声量が必要になるので声の使い分けも難しかったですし。自分が面白いと思ってやったつもりのことが、思っていたのと全然違う反応が返ってきたり、逆に思わぬところですごい笑いが起きたりして、どんどん掴んでいく感じがすごい勉強になりました。
――以前から、井上さんは間の取り方が巧みで、コメディを得意にしているように見えるのですが、いかがですか?
井上:もともと好きなジャンルはコメディなんです。主観的に思い詰めたような芝居があまり得意じゃなくて、お涙頂戴ものとか恋愛ものとかよくわかんないんですよ。客観的に自分がどう見えてるのかを考えながらできるお芝居の方が楽しく思えて。間の取り方にしても、その場の空気をみて、ここはちょっとためてから言った方が面白いなとかは考えています。好きな劇団は大人計画さんとか劇団☆新感線さんなんですけど、今年はそういう方々の舞台もできるだけ観て、「なるほど!」って思ったところを自分の活動に活かしてみることもありました。