『大原櫻子 CONCERT TOUR 2016 ~CARVIVAL~』日本武道館ツアーファイナルライブレポート
大原櫻子はアーティストとして一段上のステップへ 歌とダンスで見せた武道館ツアーファイナル
夏の終わりを歌った切ないラブソングの「September」の後は、アコギからエレキに持ち替え激しいロックパートへ。「READY GO!」では大原の威勢のいい掛け声に呼応して会場のファンが拳を突き上げる。疾走感溢れるメロディーに大原の歌い方もこぶしが効いてくるほど力強いものになっていく。盛り上がりはそのまま、アルバム『V』の1曲目を飾る「踊ろう」では大原がファンに振り付けを教え武道館を一つにしていた。「1st、2ndツアーではエレキギター、ピアノとか新しいことに挑戦していたんですけど、今回はダンスをやってみました。同じ時間、場所、空気を吸って、音楽を楽しめるこんな素敵なことは奇跡なんじゃないかなと思っています。また、みなさんのもとに戻ってくるときはさらに大きくなって戻ってきたいと思います」とツアーを振り返り、続けて「何か壁にぶつかったときとか、道に迷ったときに次の曲を聴いて頂いて、一歩踏み出す勇気を受け取ってもらえたら嬉しいと思います」とファンに話しかけ<輝け 涙も勇気なんだ>と前向きなメッセージが込められた「Scope」を熱唱した。
アンコールは、大原が振り付けを手がけ、1stツアーから“ほっこりソング”として恒例の「のり巻きおにぎり」で幕を開けた。頭の上に両手で山を作り上下に動かす振りをファンに指導し会場は明るいムードに。「大好き」ではアリーナに巨大バルーンが登場し会場を彩り豊かに演出していく。大サビでは<武道館のみんなへ my love forever>と歌詞をアレンジし歓声があがった。「これまでツアーの中ではやってこなかった大切な1曲をみなさんに届けたいと思います」と話し披露されたのは「ちっぽけな愛のうた」。大原にとって“大切な1曲”であり、ブレイクのきっかけになった曲だ。イントロが鳴り始めると割れんばかりの歓声が武道館に木霊した。「最初のアカペラはいつも1人で歌っているんですけどみなさんと一緒に歌いたいです」とコメントし、最後に歌われたのはデビュー曲「明日も」。大原がボーカルをリードしていくと徐々にファンの声が大きくなっていき大合唱に。大原は「チェリー!」「ブロッサム!」とファンとコールアンドレスポンスを交わしながら、「V」のオブジェの向こうへと去っていき大団円を迎えた。
筆者の中でライブの開演前と終演後で、“大原櫻子”のイメージはガラッと変わっていた。それは「俳優」と「歌手」を交互に行き来する彼女のイメージに加えて、「ダンス」という“踊れる大原櫻子”を見せつけられたから。歌唱力の試される「サイン」や「Scope」、代表曲「瞳」「明日も」では本人も話していた、舞台経験によって培った喉の強さによるどこまでも伸びる歌唱力を垣間見ることができた。大原は来春より上演となる『Little Voice(リトル・ヴォイス)』で舞台初主演を務める。同作は歌の力で自らの人生を切り拓いていく物語。大原はジュディ・ガーランドやマリリン・モンローなど初めて洋楽のカバーを披露する予定だ。この経験が「歌手」の大原にとってどのように響いていくのか。そんな思いを馳せてしまう、それが「大原櫻子」という人物だ。
(取材・文=渡辺彰浩/写真=川嶋謙吾(田中聖太郎写真事務所))
■セットリスト
SE ! CARVIVAL
1.ステップ
2.真夏の太陽
3.勇気と微笑み
4.瞳
5.トレモロレイン
6.メロディー
7.DANCE ! CARVIVAL
8.Dear My Dream
9.INST ! CARVIVAL
10.こころ(apf ver.)
11.君になりたい
12.サイン
13.September
14.READY GO!
15.My Way
16.踊ろう
17.Scope
<ENCORE>
18.のり巻きおにぎり
19.大好き
20.ちっぽけな愛のうた
21.明日も
■リリース情報
大原櫻子 NEW LIVE DVD/Blu-ray 『タイトル未定』
発売:2016年12月21日(水)
価格:
DVD 2枚組・通常仕様 ¥5,000+税
Blu-ray 1枚組・通常仕様 ¥5,500+税
※DVD/Blu-rayともにブックレット付
詳細後日発表