Rei、弓木英梨乃、Predawn……本当に注目すべき実力派の「ギタ女」たち

 『ORB』収録の「Oo-Long-Cha」にはBase Ball Bearの「ベー女」、関根史織がゲスト参加しているが、先日11月から始まるBase Ball Bearのサポートギタリストを務めることが発表されたのが、弓木英梨乃である。現在はKIRINJIのメンバーとして活動するほか、秦基博、土岐麻子、吉澤嘉代子といった様々なアーティストのサポートを務めているが、そもそも彼女のキャリアのスタートは、現在の「ギタ女」のイメージに近い、シンガーソングライターとしてだった。

 結局、その路線は上手く行かなかったものの、中学からTHE BEATLESをコピーし続ける一方、ロック/ブルース系のギタリストからの影響を受け、ギターインストを作り続けてきた彼女の腕前は徐々に評価され、現在のポジションを築くに至った。最近ではRHYMESTERとのコラボレーションによるKIRINJIの「The Great Journey」が話題を呼んだが、かつて同じくRHYMESTERとコラボした「The Cut」を発表し、近年はファンク路線を見せるBase Ball Bearのサポートを弓木が務めるというのは必然の流れであり、今後はよりロック方面にもその名が知られていくはずだ。

 最後にもう一人、Reiと同じく9月21日にひさびさの新作『Absence』を発表したPredawnの名前を挙げておこう。彼女は繊細な歌声や美しいメロディーについて語られることが多く、「ギタ女」的な観点で語られることは少ないように思うが、歌に寄り添う彼女のフィンガーピッキングは実にスムーズで、味わい深い。新作は初のバンド録音で、近年のライブではエレキギターを弾く機会も増えているが、エレキだと右手のストロークがややぎこちないのが、逆にキュートだったりもする。ぜひとも、彼女たちのような実力派の「ギタ女」に注目してほしい。

(文=金子厚武)

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