FORWARD・ISHIYA、スカンジナビアツアーセルフレポート
北欧パンク文化は尊敬できるものばかりだったーーFORWARD・ISHIYAスカンジナビアツアー体験記
(写真:ストックホルムのライブに、FORWARDアメリカツアーに帯同してくれたマルクが来てくれた。旧友がフィンランドから駆けつけてくれたのは嬉しかった。)
筆者がボーカルとして活動するハードコアパンクバンドFORWARDが、2016年7月6日から7月11日にかけて、スウェーデンとフィンランド2国のスカンジナビア半島ツアーを行なってきた。
合計4カ所のショートツアーではあったが、初めて訪れたスカンジナビアのパンクシーンなどをレポートして行きたいと思う。
今回のスカンジナビアツアーはスウェーデンから始まるが、入国審査がアメリカほど厳しくないために、各自楽器を持っての入国となった。
一応入国審査はあるが、通り一遍の質問に答えれば通る簡単なもので、改めてアメリカの入国審査の厳しさを感じずにはいられない。
メンバー全員が無事入国を果たし、一息ついているところで今回のツアーのオーガナイザーであるJUKKAとフィンランドのHässäkkä-päivätフェスまで同行するJaniと合流。ツアーをまわるバンに乗り込みひとまず乾杯。
初めてのスカンジナビア半島だが、最初の街であるスウェーデンのストックホルムは、気候がカラッとしていて日差しがあるため、日中はTシャツだけでも過ごせるのだが、夜は長袖がないと寒いと感じるぐらいの気候のため、梅雨まっただ中の日本から来た自分たちにとっては快適この上なく、過ごしやすさに一安心した。
ライブ前日に到着したため、この日は英気を養いDS-13という現在のスウェーデンハードコアの第一人者であるバンドのベーシストChristofferの家にてホームパーティーをしながら地元のパンクスたちと交流を深めた。
しかし夏期の北欧は白夜のシーズンなので、南の方に位置するストックホルムでもなかなか日が沈まない。起きている間はどんなに遅い時間でも少しとはいえ確実に陽があった。夜12時あたりでもまだ明るさがあり、完全に真っ暗になるのはせいぜい1〜2時間ぐらいではないだろうか。初めて体験する白夜にはかなり驚いたが、今後北上するにつれ更に白夜の時間は長くなり、就寝中はわからないが、真っ暗になることがなかったのではないかと思う。
スウェーデンは、80年代からハードコアパンクが盛んな国で、古くはANTI-CIMEX、MOB47、CRUDE SS、TOTALITAR、ASTA KASKなどのほかにも多くの素晴らしいハードコアバンドを輩出している国だ。
筆者も上記のバンドをバンドを始めた頃から今でも聞いており、かなりの影響を受け今日に至るが、その国でライブができるというのは格別な思いがある。
イギリスのDISCHARGEの影響を受け進化した独自のスウェディッシュスタイルハードコアは、諸外国でも大きな評価を得ており、現在のクラストコアと呼ばれるバンドたちにもかなり影響が大きい。
ASTA KASKはそういったサウンドとは一線を画した独自のメロディックなサウンドで数多くのファンが世界中にいる。
そして、上記のバンドの中で現在も活動しているバンドや、音楽活動を続けているメンバーは多く、2016年4月にはMOB47が2度目の来日を果たし、ASTA KASKも来日公演を2度行なっている。
そうした中で、今回スウェーデンのライブでは、現役バリバリのスウェディッシュハードコアであるDS-13と、TOTALITARのメンバーが在籍するMEANWHILEとのライブが組まれており、現在のリアルなスウェディッシュハードコアを堪能できそうな期待で胸が膨らんだ。