FIVE NEW OLDの“スタイリッシュさ”はどこから来る? サウンド・歌声・ビジュアルから分析
いつの時代も、「若手」と言われるバンドは数多く存在する。まだまだ成長途中のバンドもいれば、シーンの中で一気に確固たるポジションを築くバンドもいて、千差万別だ。もちろん現代も例外ではないが、数あるバンドの中でも一際個性的なバンドがいる。神戸出身4人編成のロック・バンド「FIVE NEW OLD」だ。新旧の音楽テイストを感じられるサウンドやスタイルはシーンでも一線を画しており、この先大きく飛躍する可能性を感じる。そんなFIVE NEW OLDの良さについて考えてみたいと思う。
FIVE NEW OLDの一番の特徴は、スタイリッシュさだ。ネット上でも「オシャレ」「洋楽のようなスタイリッシュさがある」と評判である。では、その“スタイリッシュさ”とは何なのか。分解して考えてみたいと思う。
まず一つ目は「サウンド」。前提として彼らの音楽は、ジャンルにとらわれていない。例えば、「Hole」や「Ghost In My Place」などは、R&Bやブラックミュージックの要素がかなり強い。しかし、「Ashes To Ashes」や「Something You Want Is Something I Don't」はロック、「Black & Blue」は爽やかなポップス、というように様々な顔を見せてくれている。しかし、そのサウンドには共通点がある。FIVE NEW OLDは、比較的シンプルな音作りをしているのだ。実際、Vocal&GuitarのHiroshiも「坂本龍一さんやBrian Enoみたいなアンビエントだったり、FKA twigsみたいなミニマルなサウンドが好きです」と語っており、バンドの音作りにも影響しているのかもしれない。(参考:http://top.tsite.jp/entertainment/j-rock/i/24734449/)
そんなFIVE NEW OLDのサウンドは、EDMのように多くの音を重ねている今流行のサウンドを聴いている若い世代には新鮮であるし、30代以上の世代はやや懐かしさをも感じるだろう。幅広い世代に受け入れられるシンプルで洒脱なサウンドは、スタイリッシュさを構成する一つの要素となっている。
2つ目は、「爽やかな歌声と英詞の発音」。Hiroshiの声質は嫌味がない。好みはあるにせよ、絶対に受け付けないという人は恐らくいないのではないだろうか。英詞を歌う場合、格好つけてビブラートをかけるなどの無駄な味付けをしがちだが、Hiroshiはそうではない。まっすぐ素直に声を出しているところが心地よい。そしてそれが、シンプルなバンドサウンドにマッチングしている。また、発音の良さにも注目だ。ネイティブでも通用しそうな発音の良さは、邦楽バンドとして大きな武器となる。一見すると海外生活や留学経験がありそうだが、Hiroshiは生まれも育ちも関西というから、否が応でも天性のセンスを感じてしまう。
そして、個性がはっきりしているメンバーのビジュアルもいい。Guitar&ChoのWataruは髭がオシャレでインパクト大、Drum&ChoのHayatoは切れ長の目が特徴で爽やか、Bass&ChoのYoshiakiは重いベース音からは想像できないかわいらしいイメージと、個性豊か。そしてバンドの顔とも言えるVocalのHiroshiは今をときめく俳優である菅田将暉似で、細見のシルエットも今っぽい。さらに、やや紗がかかっているMVの作りが彼らのスタイリッシュさを助長していると思う。