モノブライトが見せた新たなフェーズとは? 新体制後初のライブが感じさせた“バンドの威力”

モノブライトが突入した新たなフェーズ

 2015年6月にドラムの瀧谷翼が脱退、以降メンバーそれぞれでの活動はあったが、バンドとしては止まっていたモノブライト。そもそも、デビュー時からさまざまなサウンドスタイルにトライし、活動してきたバンドだが、共に地元北海道から出てきたメンバーの脱退は、さすがに簡単に解決できることではなかったようで、半年近く動きがなかったわけだが、10月に再始動を宣言。

 12月11日に約2年ぶりの新曲「冬、今日、タワー」を配信リリース。そして12月28日幕張メッセ『COUNTDOWN JAPAN 15/16』のステージにて、新体制となって初めてのライブを行った。以下、そのライブと「冬、今日、タワー」からうかがえた、新しいモノブライトについてである。

 桃野陽介(Vo,G)、松下省伍(G)、出口博之(B)のメンバー3人に、サポートとしてドラムにSISTER JETのKENSUKE.A、キーボードにWONDERVERの村上奈津子、そしてカルメラのホーン隊(トランペット小林洋介、アルトサックス辻本美博、トロンボーンたなせゆうや)が加わった8人編成でのステージ。

 当然、音は分厚くなり、ファンキーになり、グルーヴィーになるわけだが、まず驚いたのは、「アナタMAGIC」「JOYJOYエクスペリエンス」「踊る脳」といった、これまで聴き慣れてきたライブ・アンセムたちが、まるで最初からこういう曲であったかのような鳴り方をしていたこと、つまり最初からこういうバンドだったかのようななじみかたをしていたこと。路線変更とかリニューアルというのではなく、そもそも欠けていたものが加わったような、そしてそれらが加わったら本来のとんでもない威力を発揮し始めたような、そんな響き方だった。自分が個人的にこういう音が好きなせいもあるのか?と一瞬考えたが、長らくモノブライトのライブを待っていたと思しきファンの熱狂的なリアクションを見ていると、そういうことではないようだ。

 そしてもうひとつは、この日も披露された新曲「冬、今日、タワー」。ストレートで素直で“聴いたまんま読んだまんま”な言葉がシンプルなメロディに乗る、ラブソングであり、同時にライブソングでもある(そんな言葉はないですが、“生きていく人の歌”みたいなことです)この曲、ラジオ等で耳にした時からいい曲だなあとは思っていたが、生で食らった時の衝撃、その何倍もの、かなりのものがあった。

 “ロックバンドである” “モノブライトである”“それはこういうバンドである”“曲を書いて歌っているのは桃野陽介である”というような前提を必要としない、“届く” “届かない”のハードルをできうる限り消し去った、つまり聴き手を選ばない曲になっている。

 なお、この日のステージでは、「8600曲くらい作った」(桃野)という中から、新たなライブ・アンセムになりそうなエモーショナルな新曲「ビューティフルモーニング(Wake Up!)」もプレイされた。メンバー脱退というトラブルを乗り越えて戻ってきた、だけではなく、それと同時に新しいフェーズに突入したモノブライト、次のアクションは1月11日、梅田クラブクアトロと1月17日の渋谷クラブクアトロ。「冬、今日、タワー」のMVにはレコーディングのシーンがあったし、アルバムもまもなくなのだと思う。楽しみに待ちたい。というか、追いたい。

(文=兵庫慎司/写真=古渓一道(COUNTDOWN JAPAN 15/16))

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『冬、今日、タワー』

■配信リリース情報
『冬、今日、タワー』
発売中
iTunes Store販売価格:¥250

■ライブ情報
『モノブライト LIVE 2016 bright eyes』
1月11日(月・祝)梅田 CLUB QUATTRO
1月17日(日)渋谷 CLUB QUATTRO

■関連リンク
オフィシャルサイト
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