西寺郷太×和田 唱が語る、80年代のポール・マッカートニー「天才で多作で、たまにしょうもない曲もある(笑)」

西寺郷太と和田唱が語る“ポールのすごさ”

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「『Through Our Love』も良いけど、ポールが本当にキレてるときのバラードは、もっとイイ」(和田)

──名曲ということで言えば、『Pipes Of Peace』のほうが目立った曲がある感じですよね。

和田:まず、1曲目の表題曲が素晴らしいです。

西寺:こういう曲ってなかなか作れないもんなー(アタマから歌い出す)。

Paul McCartney 'Tug of War (Remix 2015)'

和田:(一緒に歌い出す♪)……このサビの展開、ホント天才的だよね。

西寺:本当によくできてる(また歌い出す♪)。ヴァース、いわゆる本題に入る前のメロディによる導入部、そしてまたそこに返ってきて終わる感じも、改めて考えると超自然ですごいかも。

和田:でしょ。で、その次に「Say Say Say」。今回のボーナス・ディスクにさ、既存のヴァージョンでポールが歌ってたところをマイケルが歌ってるヴァージョンが入っててさ、そんなテイクがあったんだって感動した。で、「The Other Me」、俺が大好きな「Keep Under Cover」、そして「So Bad」と続く。

西寺:「So Bad」は、ビートルズ期を含めて俺のなかで5本の指に入るポール曲。

和田:わかる。スモーキー・ロビンソンが最近カヴァーしてたよね。そして「The Man」までは完璧なのに、このあと若干弱い「Sweetest Little Show」と「Average Person」がきて、「Hey Hey」はインスト曲。その後の「Tug Of Peace」はノーコメントで(笑)。

西寺:ここはもう、さっきの中国の将棋やってるおじさん状態かもね(笑)。

和田:最後の「Through Our Love」も良いバラードなんだけど、ポールが本当にキレてるときのバラードは、もっとイイ。このあたりの流れが『Tug Of War』との決定的な違いかな。

西寺:ポールはビートルズの人だったわけで、アルバムの半分はジョン、およびちょっとジョージやリンゴが書くという規定のルールに慣れちゃってたのかもね。だからこそ『Tug Of War』にはスティーヴィーとの曲が2曲入ってるし、そういうスパイスを入れないと、っていうのはポール自身も感じてたんじゃないかな。

和田:なるほどね。もともとは5〜6曲いい曲を作れば良かったんだもんね!トライセラトップスは3人でやってるけど、曲は全部自分で作ってて……郷太くんもそうだよね?

西寺:最近は奥田(健介)の曲も多いんだけど、長い間、基本ラインは俺だったね。そういう意味では、全部作るっていうのには慣れてる。

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