田幸和歌子のジャニーズ斜め読み

嵐・松本潤の演出指導は、Hey! Say! JUMPにどんな影響を与える?

 たとえば、アマゾンのDVDのレビューでは、松本潤の演出を叩く声が多数あるし、そうしたネット上の声をキャッチしているのか、『TVガイドお正月特大号』では櫻井翔が、次のように発言したこともある。

「その演出に関する発想っていうところはもちろんだし、時間的にも俺らが帰った後、夜遅くまで打ち合わせをしているしさ。一方で、その責任がすべて松潤にあるってわけじゃなくて、松潤が考えたものを『いいね、いいね』って言っているのは俺らだから、アウトプットされたものは俺ら5人の総意であって、彼一人が なんか言われることじゃないっていうか。本当にすごいよ」

 嵐の人気が出すぎたことで、上が詰まり、それを継げる後輩たちがまだ十分に育ってきていないジャニーズの現状。これまで批判もあったものの、確実に嵐のステージングを進化させてきた松本の指導だけに、Hey! Say! JUMPのコンサートから今後新たな演出が生まれることも期待できそうだ。

(文=田幸和歌子)

■書籍情報
『嵐はなぜ史上最強のエンタメ集団になったか』
リアルサウンド編集部・篇
価格:¥ 1,500(+税)
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内容紹介:ごく普通の青年たちがエンタメ界のトップに君臨したのはなぜか? 音楽性、演技・バラエティ、キャラクター、パフォーマンス…… 時代が嵐を求めた理由を、4つの視点から読み解いた最強の嵐本! 嵐の音楽はポップ・ミュージックとしてどんな可能性を持っている? 現代思想で読み解く各メンバーのキャラクターとは? 嵐ドラマは00年代の情景をどう描いてきた? 青井サンマ、柴那典、関修、田幸和歌子、成馬零一、矢野利裕など、気鋭の評論家・ライターが“エンターテイナーとしての嵐”を語り尽くす。総合音楽情報サイト『リアルサウンド』から生まれた、まったく新しい嵐エンタメ読本。

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