本日閉店するライブハウス下北沢屋根裏ーー怒髪天、Theピーズらが別れを惜しんだ夜

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 1986年、下北沢にオープンして約29年。今年3月31日をもって、閉店することになった下北沢屋根裏。最終営業日となる3月30日(月)、31日(火)に控えた「屋根裏 IS OVER」に向けて、スペシャルなライブが目白押しの屋根裏だが、『下北沢CLUB Que presents 【屋根裏前期を奏でるかい!】』と名付けられた3月16日(月)は下北沢CLUB Queの店長である二位徳裕のブッキングにより、初期の屋根裏を支えたスーパースペシャルなメンツが集結。それぞれが屋根裏への想いや思い出を語り、最高のステージで屋根裏への感謝の気持ちを届けた。 

 1990年から、下北沢CLUB QUEがオープンする1994年まで、約4年間に渡って屋根裏で店長を勤めていた、二位店長。在籍時の1993年にリリースした、オムニバス・アルバム『SPIRITS OF 1993 下北沢屋根裏7th ANNIVERSARY 』には、当時、屋根裏に出演していたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTや、桜井秀俊(真心ブラザーズ)のびっくりしたなもう、マーブル・ダイヤモンドやルードモードなどが参加。びっくりしたなもう、二位徳裕&高橋浩司(HARISS、DQS、LHR、etc)の出演のみが発表され、あとは「スーパースペシャル当時の出演バンドが登場」とだけアナウンスされていたこの日だったが、二位店長時代の屋根裏を知る、勘の鋭いロックファンが集まり、開場時間には屋根裏の階段に長蛇の列が出来る。

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職権乱用ズ

 開演時間を少し過ぎた頃、超満員のフロアがざわつき、観客をかき分けるように登場したのは、二位店長率いる“職権乱用ズ”。t-key(Gt/コールタール)、平田博信(Ba/Swinging Popsicle)、高橋浩司(Dr)、そして二位徳裕(Vo&Gt)によるこのバンド。「よく嗅ぎつけて来たね、マジで凄いと思う」と笑顔で語ると、即席バンドとは思えない息の合った演奏で、痛快なロックンロールを鳴らして観客を踊らせる。「日本で一番有名な、ロカビリーをやりたいと思います」と、狩人の「あずさ2号」をロカビリー・アレンジで演奏したり、遊びごころ満点のステージに観客が沸く中、「僕が屋根裏にいた頃、ミッシェルとかとオムニバス盤を作って……」と屋根裏の思い出話を語ると、「ここで選手交代です」とベースの平田博信がステージから下り、二位店長の盟友とも言える元ミッシェルのウエノコウジが登場! 大歓声で迎えられたウエノは、「気持ち良さそうに歌ってたね」と二位店長に微笑むと、「あれからもう25年くらい? 二位さんは昔、“しょんべん”ってバンドをやってて」と思い出話で会場を沸かす。MCの流れで二位店長のやっていたバンド、しょんべん時代の楽曲「アメリカに背を向けて」をウエノと共に披露した、まさに職権乱用な、職権乱用ズ。ラストは下北沢の守護神と言われる、グレイス(The COMMONS)をボーカルに招き入れて、シーナ&ザ・ロケッツ「レモンティー」のカバーで大きく盛り上げた。

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大木温之(Vo&Gt)と佐藤シンイチロウ(Dr)による二人ピーズ

 続いて、「25年前、ここで初めてやらせていただいて」と感慨深そうに語り、「今日はアビさんが仕事で来れないから、二人でやります」と始まったのは、大木温之(Vo&Gt)と佐藤シンイチロウ(Dr)による二人ピーズ。アコギの弾き語りで「バイブレーター」を歌い終えると、「ここで初めてライブをやった時の曲を挿入してみました」と嬉しそうに笑うハル。「屋根裏ぁーー! ……なんて叫んだことないけど。屋根裏ぁーー!!」とシャウトしたり、慣れ親しんだライブハウスで終始リラックスした様子。「全然季節外れだけど、下北沢にちなんだ歌を歌います」と「クリスマスのうた」を歌うと、「次はシンちゃんにドラムを叩いてもらいます」と「とどめを派手にくれ」で会場を沸かす。「これも初めてのライブでやった曲です。そこの階段のことだから」と歌った下北沢や屋根裏の思い出にも浸りながら、ゆったりと温かい雰囲気で進行したステージは「チキチキバンバン」でフィニッシュ。普段のTheピーズのライブとも、弾き語りライブとも異なる、この日だからこその貴重な時間となった。

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