新シングル『IDOL ILLMATIC』 リリースインタビュー

ライムベリーが語る、再始動への道 HIME「みんなの意思を背負って、前に進む覚悟を決めた」

左から、HIME、HIKARU、MIRI。

 アイドルラップユニット・ライムベリーのフリーライブが、ららぽーと豊洲にて11月16日(日)に行われた。11月中旬とは思えない快晴の中、屋外のイベントスペースで行われたミニライブには、コアなファンはもちろんのこと、ショッピングモールに遊びに来ていた子ども連れの家族も足を止めて見入っていた。

 今回のインタビューはライブ終了後、メンバーの3人(MIRI、HIME、HIKARU)に、プロデューサーのE TICKET PRODUCTION(桑島由一)氏と同席のもとで行われた。ニューシングル「IDOL ILMATIC」のことを皮切りに、活動休止中のこと、復活ライブのこと。そして12月21日に開催される2ndワンマンライブについて。

 デビューから3周年を迎えたライムベリーだが、激動の一年となった2014年に彼女たちは何を思っていたのか。そして再スタートの時に決めた覚悟とは。

活動休止と復活について

——2013年8月の1stワンマンライブの後、活動休止になって、翌年の4月にはメンバーが1名脱退されましたが、当時はどんな心境でしたか。

MIRI:とりあえず、いつ復帰ができるかなっていう不安と期待でいっぱいでした。私自身も正直、このまま無くなるんじゃないかって思った時期もあったりして。でも、「終わり」って誰かが言うまで、ライムベリーは続く可能性はあるから、そこに向けてがんばっておかないと。復活した時に、「休止の期間が痛かったよねぇ。この期間で落ちたよねぇっ」て、言われないようなライブがしたいって気持ちと、みんながどんな反応をしてくれるのかな、という期待がありました。

 復帰が決まった時は、嬉しかったですけど、それよりも先に、大丈夫かなって思いました。MCが3人から2人になるって「1人欠けるだけじゃん」って思う方もいるかもしれないけど、結構大きくて。実際に歌ってみるとその重さを知るというか。

 ラップなんで、言葉が多いじゃないですか。ホントに大変で疲れるんですよ。でも、一人減ったことでパワーが減ったなんて言われたくないし、ライムベリーはせっかく今出来ることが奇跡に近いことで、ちゃんとやらせてもらってるのだから、このチャンスをモノにしようと思いました。

HIME:休止期間は、ファンの方にホント申し訳ないなって思って。Tシャツ買ってくださったり、チェキ撮ってくださったり、毎回ライブに来てくれた方もいたので、このまま終わったら、最後のライブもやってないし、何も感謝を言いに行けないし。どうしたらいいんだろうって。

——復帰ライブで、HIMEさんがMCで「覚悟して決めたことだから」って言ったのが、すごく胸に突き刺さりました。その時の“覚悟”という言葉を補足すると、どんな気持ちですか。

HIME:もう、終わる寸前だったから。あの時、普通だったら終わってたと思うんですよ。それでもやるって決めたってことは、寝ないで動いてくれたスタッフさんもいるし、早い段階で意思を固めてくれたメンバーもいるから、それをちゃんと背負って、ちゃんと前に進もうっていう意味の“覚悟”です。

HIKARU:はじめはあんまりDJ HIKARUのキャラに納得してなくて、いつまでメガネと三つ編みにするんだろうとか思ってたんですけど、徐々に定着していって、好きになってくれるお客さんもいらっしゃったので、休止はもったいないかなぁって気がして。私はやめたメンバーと一緒にいることが多かったので、びっくりしたんですけど、楽曲も好きだったし、ラップとアイドルという要素も面白かったのでライムベリーは続けたいなぁと思ってました。

 結構、先延ばしになっちゃったんですけど、それでも復活できたのでよかったです。

——休止の間にメンバー同士で集まって話したことはありました?

三人:何回かはあったよね。

HIME:でも、自分たちで決められないから、話しても進まないじゃないですか。やりたいって気持ちもあるけど、不安も大きくなって。だから辛かったよね。

MIRI:何していいかわかんないしね。

新体制のライムベリー

ららぽーと豊洲でのライブの模様。

——3MCから2MCになって、思った以上に以前とは違うものになりつつあると思うのですが、ライブを積み重ねる内に意識的に変えていったことはありますか?

MIRI:3人の時って、みんなで歌うパートは、1人抜けてもなんとかなったんですよ。でも2人になったことで、どっちか1人休むとダメになるんですよね。だから、「私がやらなきゃいけないんだ」っていう自分に対する責任感がすごく強くなったんじゃないかなぁと思ってます。

——2人の役割分担がはっきりしてきたと思うんですよ。攻撃的な煽りはMIRIさん、かわいいパフォーマンスはHIMEさんみたいな。

MIRI:それは自然に決まっていったよね。

HIME:お互いいっしょにいる時間が長いので良いところもできないこともわかってるので。これは、私が得意だなってところ自分でやって。MIRIちゃんの特技が煽りがうまいのはわかるので、MIRIちゃんが何か言う時はそこでは黙るし、そこでカッコいいこと言ってくれるのはわかるので。

MIRI:それはすごく助かってる。HIMEはかわいい存在じゃないですか。声もかわいいし行動もかわいいし、スタイルもかわいいし、みんなかわいいじゃないですか。だから、かわいいのは全部任せてるんです。私がかわいいことやってもキモイって言われるから(笑)。多分、HIMEがいるからアイドルラップって言えるんですよね。

——ライブの振り付けはメンバーが考えてるんですか。

Eチケ:きっちりしたダンスはメンバーに振り付けしてもらって、それ以外の部分は自由に動いてもらったり、ラフにリクエストしたりしています。

MIRI:基本は自由ですね。本番での動きはMIRIたちの気分で変わることも多いです。

——HIKARUさんは、歌うパートが増えて、DJだけじゃなくなってきてますけど。

HIKARU:歌ばかりやってたので、ラップが本当にできなくて。二人のスキルがどんどん上がってきてるから、さらに差ができちゃうんですよ。もともと、声が高いので浮くんですよね。あっ浮いてるって思って、だからなるべく浮かないようにしてます。

HIME:HIKARUは出番前に、なるべくこっちに声の高さが合うように確認してくれたりとか。サビにも入ってくれて、いろんな場所で助けてくれて。機材のこともあるのに、器用にカバーしてもらっています。

——いずこねこのカバー曲の「BluE」や「きみとぼく」みたいな、HIKARUさんを全面に出す曲も増えてますね。

HIKARU:ありがたいことです。

——HIKARUさんは最近、EQ(イコライザー)で音を調整していて、ライブが以前より迫力を増したと思います。普段、DJの練習はされているんですか?

HIKARU:YouTubeで見たりします。家にCDJがあるので参考に。

——ラップだけじゃなくて「アンサーアンサー」や「きみとぼく」みたいなテクノ系の曲も増えていますが、今後はラップとテクノの配分は変わっていくんですか?

Eチケ:ラップメインという配分は変らないと思います。「きみとぼく」は歌モノですが、滅多に作らないタイプの曲として考えました。歌詞も普段のメンバー目線とは違うメッセージを込めてみました。

MIRI:メッセージね。

HIME:心を込めて、がんばったんだよね。

HIKARU:あの歌を歌わせていただくなんて光栄です。ライムベリーが恋愛モノって珍しいなと思って。恋愛モノで男の子の視点からの歌なので、私もイメージができなかったので、色々教えてもらいました。

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