小室哲哉、奥田民生、大友良英らが語る「ハイレゾ」の可能性は? 『ウォークマンぴあ』目玉記事ご紹介
ウォークマンの35周年を記念するムック本『ウォークマンぴあ』が、10月28日に発売された。
同書のメイン企画である「ウォークマン誕生、祝35周年! WE LOVE WALKMAN ~35人の著名人が語るハイレゾ体験~」では、小室哲哉、ジミー・ペイジ、奥田民生、PUFFY、中川翔子、T.M Revolution、葉加瀬太郎、織田哲郎、大沢伸一、大友良英、藍井エイル、マーティー・フリードマン、クラムボン、tofubeats、西寺郷太など、35人の著名人が登場。ソニーのハイレゾウォークマンを試聴し、それがもたらす音楽への可能性について語っている。
リアルサウンド編集部のある株式会社blueprintが編集制作を行った同書。ここでは小室哲哉、奥田民生、大友良英のインタビューの一部を抜粋して紹介したい。
小室哲哉「マスタリングルームで聴くような低音感がある」
ーー小室さんがハイレゾウォークマンを購入されたのは?
小室:2013年の12月でしたか。約1年になりますよね。今、世の中がやっとiTunesに慣れて、普通にYou Tubeの音で不満がない状態ですよね。これを聴かせると、音があまりにもクリアだったりして、低音が立ったブラックミュージックなんかを好きな方が聴くと、やっぱり違うと感じるでしょうね。レコーディングスタジオのマスタリングルームで聴くような低音感がありますから。
ーー低音は、確かに立ちますね。
小室:もっと正確にいうと、低音を支えるウーハー両方の音域をカバーしていて、周波数も広域なんです。それを基準にレコーディングや制作を考えると、音を作る現場で、アレンジャーやクリエイターもベースやキックの音色を変えるでしょうね。
ーー再生機器に合わせて音作りを変えるわけですね。
小室:結局、エンドユーザーが何を基準に聴くかということを考えてしまうんですよね。ここ数年はMP3が王様、もしくはiTunes用のマスタリングがメインになっているので、どうしてもそこを基準にしてしまう。一番普及しているマスの環境で、気持ちよく聴こえなかったらしょうがないから、焦点を絞って制作するんです。
ーー当然そうなりますよね。
小室:制作段階に巻き戻すと、どうしても音作りや音選びにまで影響が出てしまうということですよね。例えば、レコーディングスタジオのスピーカーもCDの音域がぴったり合うヤマハのテンモニが基本でしたが、MP3が出てきてから、ジェネレックになっていたりしますし。ウォークマンの歴史を考えると、カセットテープ、CD、MDとメインストリームを走っていたと思うんですが、そこからiPodになって、軸がズレだして、みんなどこをめざしていいのかわからなくなっている。
ーーハイレゾが軸になることを期待したいですね。