ダイノジ大谷ノブ彦『俺のROCKLIFE』インタビュー(後編)

“体験をパッケージ”する発想をーーダイノジ大谷が提言する、これからの音楽サバイバル術

――舞台だけでなく、それを観るプロセス全部が楽しみなんですね。これはライブハウスでも応用できそうな発想です。

大谷:ライブハウスでも絶対展開できると思う。お酒のサービスの仕方にしても、もっと気軽に飲めるようにするとか、気軽に酔えるようにするとか、いろいろ知恵を出し合えると思うんですよ。ライブハウスはもっと体験ってことに対してしっかり向き合うべきだと思う。昔は大人の社交場で、みんなが憧れて行ってたけれど、それだけじゃダメなんですよ。記念写真をライブハウス側が撮って、それをライブハウスの壁に貼っていくとか、そういうアイデアはいくらでも出せると思う。グッズだって、面白いこといっぱいできますよ。ホルモンのフード付きタオルとか、テレフォンズのサングラスとか、すごく売れている。

——なるほど。ライブハウスに行くこと自体がエンターテイメントの一つである、という考え方ですね。

大谷:だからパッケージを作るってことに対して自覚的であり、独立するってことに対して自覚的なミュージシャンっていうのは潤っているし、結果として自然と良い作品ができているっていうイメージがすごくありますね。もちろん純度の高い音楽っていうのは大事なんだけど、そこがなければバンドを続けることもままならないのかなって思います。

――大谷さん自身は、今後も音楽にまつわる仕事を増やしていく予定ですか。

大谷:良い音楽をシェアしていきたいという気持ちはすごくあるので、どんどんやりたいですね。以前、『申し訳ないと』のミッツィー申し訳さんとDJのイベントで会ったときに、初めてDJプレイを褒められたんですよ。その時、僕はてらいもなくいろんなタイプのロックをかけていたら、ミッツィーさんがぼそっと「地球上に悪い音楽ないからね、良い曲も悪い曲もDJ次第だから」って言ってくれたんです。本来、音楽はすべて良いものだけど、良いように聴かせることも、悪いように聴かせることもできる。ただ、楽しませ方はいろいろあるので、なるだけ多くの音楽を聴いてもらえるように、芸人特有のギミックを使いながらやっていきたいかな。今年は流行りの音楽とか、リスナーが多い音楽に乗っかるだけじゃなくて、その先にある楽しみを絶対伝えたいですね。
(取材・文=神谷弘一/編集協力=梶原綾乃)

■書籍情報
『ダイノジ大谷ノブ彦の 俺のROCK LIFE!』
価格:1,400円(税込み定価1,470円)
発売日:12月20日

 人気ラジオ番組『オールナイトニッポン』(水曜・第一部)や『Good Jobニッポン』(月〜木)のパーソナリティを務める大谷ノブ彦(漫才コンビ、ダイノジの一人)の、クロスビート誌(現在は休刊)の連載「俺のROCK LIFE!」をまとめた一冊。単行本化に当たり、大谷がロックと向き合う姿勢に迫ったインタビューや、本人による「人生の10枚」の選盤/解説なども収録。

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