YouTubeからの文字動画排除とその副作用ーー「非収益化」というリスクについて

 今や、職業として認められつつあるYouTuber。しかし、出来たばかりの新しい職業だけあって、その状況・環境は短期間で目まぐるしく変わっている。この記事では、この半年ほどで多発している既存チャンネルの非収益化処分や、YouTuberの収益事情に焦点を当てて、現在のYouTube事情について解説したい。

駆逐される文字動画、その弊害で死んだ「ゆっくり動画」

 以前、「ゲーム系YouTuberのチャンネルが相次いで収益化の対象外に ゲーム実況者の未来はいかに?」という記事で、ゲーム系投稿者の収益が剥奪されていることをお伝えしたが、何も非収益化を受けたのはゲーム系の動画投稿者だけではない。非収益化処分を受けるチャンネルの傾向としてわかりやすいのが「文字動画あるいは、それに準ずるような動画」だ。

 何らかのテキスト(まとめサイト、ニュースサイトからの転載など)を上から下にスクロールさせるだけのいわゆる「文字動画」は、既にYouTube上から駆逐されつつある。

 GoogleはAIによってYouTubeの動画が規約に反していないかを判定しており、文字動画に関しては既にその多くが収益化が認められなくなっているのだ。

 また、文字動画排除の弊害を受ける形で、ニコニコ動画にルーツを持つ「ゆっくり動画」と呼ばれる自動読み上げソフトを用いて作られた動画も、非収益化処分を受けているケースがしばしば見られた。

YouTubeの収益が剥奪された話。

 ゆっくり動画は文字動画と違い、転載ではなくオリジナルコンテンツを提供している動画も多いのだが、自動読み上げソフトを使っている点や動画に動きが少ない点などがAIの判定に引っかかっていると思われる。現にYouTubeの「コンテンツの品質に関するガイドライン」には"第三者のコンテンツを合成音声が読み上げたもの、または意味を成さないコンテンツ"は収益化の対象とならないと明言されている。

参照:YouTube パートナー プログラムのポリシー

 ゆっくり動画で歴史の解説などを行っておりチャンネル登録者数は12万人ほどの「最強のメラ」チャンネルは、非収益化を受けた後、異議申し立てを行い1度は収益化が認められたのだが、先日再び非収益化を受けたことを発表した。

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