『ファイナルファンタジーXV』AI使用の新技術に注目 「GDC」日本発コンテンツに勢い

『GDC』日本ゲームに熱い視線

 世界最大のゲーム開発者カンファレンス「Game Developers Conference 2018」(以下、GDC)が、3月19日〜23日にかけてサンフランシスコで開催されている。「GDC」では、今後発売されるゲームで使用される最新の技術が数多く紹介されており、日本からもスクウェア・エニックスやKONAMIなど多数の企業が参加している。楽器メーカーでDTMソフトやゲームの音響ソフトを企画・開発しているR&Dマーケティング担当の高橋通一氏に、現地を訪れた感想や、印象に残ったセッションについて話を聞いた。(メイン写真はGDC Awardsの模様)

「Microsoft MR」などで注目されるMicrosoftのブース

「今回のGDCでは、日本のゲームメーカーのセッションに特に大きな注目が集まっていたのが印象的で、ゲームの裏側の技術が大きく進歩していることを実感させられるものでした。たとえば、スクウェア・エニックスは『ファイナルファンタジーXV』のNPCを動かすためのAIについてのセッションを行っていました。同作のNPCは、プログラム内で多くの行動パターンが細かく設定されていて、思考ルーチンだけではなく、動きまで制御できる総合的なAIツールによって作られていました。これによって、プレイヤーの行動やイベントに対してただ反射的に動くのではなく、柔軟に考えて動いているかのような印象を与えられます。最先端のテクノロジーがどのようにゲームに使用されているのかを知る上で、非常に有益なセッションでした」

Play Stationのブースには常に人だかりができていた

 MR(Mixed Reality)を活用したゲームとしては、バンダイナムコエンターテインメントの『PAC IN TOWN』が魅力的なコンテンツだったと、高橋氏は続ける。

「透過型のヘッドマウントディスプレイ『Microsoft HoloLens』を装着すると、目の前に『パックマン』の世界が広がり、三人のプレイヤーが一緒にプレイすることができるコンテンンツで、現在は『ナンジャタウン』でもプレイできるようです。開発期間は約半年とかなり短く、しかも本来『パックマン』は三人でプレイするゲームではないため、新たに開発するのは大変だったようですが、ちゃんと人が遊んで楽しめるゲームに仕上がっていたのが素晴らしいと感じました。プレイヤー同士で「そこに敵がいるよ」などと教え合いながら、実際に体を動かしてスポーツのように楽しめるのは、MRという新しい技術をうまく遊びに落とし込んでいるという点でも、高く評価できるでしょう」

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