安田顕、映画・ドラマに起用されまくる理由とは? 松重豊ら“バイプレイヤー”と重なるキャリア

 2017年、映画3本にドラマ5本と大活躍の1年を過ごした俳優・安田顕。2018年も、映画『不能犯』、『北の桜守』の出演に続き、『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』、『愛しのアイリーン』の公開待機作2作品では主演を務める活躍ぶりだ。近年、目覚ましい活躍を続ける安田について、ライターの西森路代氏はその魅力を次のように語る。

「安田さんは今年で45歳を迎えますが、年齢を重ねるごとに演じる役柄の幅が拡がっている印象があります。昨年は『嘘の戦争』(関西テレビ)で優秀な弟(藤木直人)に対して、人はいいけど駄目な兄に見事にハマっていたのを皮切りに、『小さな巨人』(TBS系)では組織の中の年長者として存在感を放っていました。安田さんは、“『踊る大捜査線』のいかりや長介さんをイメージした”とインタビューで語っていたのですが、後輩から一目おかれるちょっと変わっているけれどシブい…という役柄も年々似合うようになっていると思います。そして、TEAM NACSの第16回公演舞台『PARAMUSHIR~信じ続けた士魂の旗を掲げて』の演技も印象に残りました。1945年の北海道を舞台に、突如として攻め込んできたソ連軍との戦いに挑んだ5人の物語で、メンバーそれぞれが輝きを放っています。まだ上演中でネタバレはできませんが、安田さんの芝居が作品を牽引していて、私の周りでも『ヤスケンに泣かされた』と語っている人も多かったです。

 すでに映画『俳優 亀岡拓次』などで主演を経験している安田さんですが、大杉漣さんや松重豊さんなど、年齢を重ねるなかで魅力を増していった“バイプレイヤー”たちと共通するキャリアを歩んでいると言っていいかもしれません。脇役も主役も両方できる俳優として、今後も重宝されるのでは」

 『アオイホノオ』(テレビ東京)の庵野秀明役、映画『銀魂』の村田鉄矢役など、福田雄一作品で見せるひょうきんな演技も安田の持ち味のひとつだ。

「福田雄一さんの作品に出演されている際は特にそうなのですが、ふざけているのか真面目にやっているのか、どっちとも分からない“真剣さ”に、ずっと観ていたいと思わされる魅力があります。以前、福田さんがTEAM NACSと手がけたフジテレビのオリジナルドラマ『the TEAM NACS perfect show 〜なんでこんな時に〜』の現場取材に行ったのですが、安田さんは台本からは想像もできないような演技をされていて、それが何もかも面白くて驚いたのを覚えています。安田さんが多くの監督・作家から愛されている理由が垣間見えた気がしました」

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