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『隣の家族は青く見える』インタビュー

松山ケンイチが語る、夫婦のバランス 「片方が落ち込んでいたら片方が楽しい方に連れていく」

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 『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)での松山ケンイチの夫役に共感の声が続々と上がっている。本作で松山が演じている大器のちょっとばかり無神経な発言があってもどこか憎めないところ、妻である奈々(深田恭子)を想った行動、優しさなど、大器、そして松山自身に“素敵な旦那像”を抱いている視聴者が多い。

 今回、リアルサウンド映画部では、松山ケンイチにインタビューを行った。実際に3人の子供の父親である松山は、妊活に悩む夫婦を演じる上で、どういう姿勢で取り組んでいるのか。また、松山が考えるパートナーの大切さについて、自身の経験から語ってもらった。(編集部)【インタビューの最後には、チェキプレゼント企画あり】

「足して割ったら、子どもがいない夫婦になる」

ーー妊活に悩む夫婦を演じる上で、一番悩んだことは何ですか?

松山:どうやったら深田さんとそういう夫婦に見えるかを考えました。僕自身の場合はすぐに子どもができましたが、深田さんは独身なので、きっと自分が家族を持って当たり前だと思っている感覚と、深田さんが独身でいて当たり前だと思って生活している感覚を足して割ったら、子どもがいない夫婦になるのかなと思って。だから、子どもを持って変わったこととかをいろいろ話して、深田さんと「それ全然わからない」「違う」などとやりとりを交わしていく中で、2人の感覚を共有しながら、大器と奈々を演じていけたらいいなというのが最初に考えたことです。

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ーー実際に深田さんと相談し合う中で、どんな気付きがありましたか?

松山:僕が台本を読んで、嘘くさいなとか幼いなと感じてしまう大器のセリフがあったとき、それを深田さんに話したら、「私は可愛いと思うけどな」と言われたんです。それは明らかに価値観のギャップなので、そういう風に話してくれて嬉しくて。自分が考えて受け取れる幅とは違うものを持っているなと感じて、相手役が深田さんでよかったなとそのときにすごく思いました。それ以降は、セリフのことも、衣装のことも、なにか詰まったりして悩むことがあると、深田さんが「これがいいと思う」と言った方にしようと思って、聞くようにしてます。

ーー自分とは違う意見でもすんなり受け入れられますか?

松山:むしろ自分と違う意見を受け入れないといけないなと思いました。僕にはもう子どもがいて、子どものことを考えながら生きているので、独身の深田さんの価値観を入れていかないと、きっと大器にはなれないなと。

ーー大器と奈々の会話がとてもリアルで、本物の夫婦に見えます。

松山:具体的にこうしよう、ああしようと相談することはあんまりないんですけど、「ここは手を繋いでおいたほうがいいかもしれないですね」くらいは話しています。でも基本的には、監督の演出通りにやっていますね。

ーーすでに第5話まで放送されていますが、初めて撮影に入ったときの感触はいかがでしたか。

松山:深田さんにとっても僕にとっても、大器にとっても奈々にとっても、“不妊治療”は未知の領域なんです。なので、これから不妊治療をずっと続けていくのか、その先に妊娠があるのかないのかはすごく考えさせられていました。だけど、もしかしたら子どもができることがゴールという考えはもう狭くなってきているのではないかなって。こんなに多様な考え方がある世の中で、それがゴールというのはあまりにもその視野が狭すぎるというか……。これから奈々と大器が、同性カップルや幸せを装っている家族、子どもを作らないカップルとかと接していくうちに、いろいろな価値観を取り込んでいって、もしかしたら2人だけでも幸せだという答えを出せるのかなとも思ったし、それが自分自身にもすごく考えさせられるところではありました。そういう意味では、観ている人たちもきっといろんな家族を見て、「自分の幸せってなんなんだろう」と、本当の答えを素直に考えてもらいたいです。

「このドラマで誰かが傷ついて欲しくない」

ーー撮影現場の雰囲気はいかがですか?

松山:そこまで思い悩んで撮影を止めてしまうみたいなところはないので、とりあえず撮影は順調に進んでいると思います。ただ、一つひとつがすごくデリケートな部分もあるし、分からないでやってしまうようなところもきっとそのうち出てきてしまうと思っていて。その辺りは注意しながらやらないといけないなとは感じています。このドラマで誰かが傷ついて欲しくないんです。妊活してる夫婦や、同性愛の方など、いろいろな答えを提示するけれど、それで誰かが傷ついてしまうとダメだと思うので、そこは気をつけながら、みんなでやっていけたらなと思います。

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ーー深田さん以外にも、本作では幅広い年代の役者さんと共演されていますね。

松山:皆さん上手いんですよ。上手い人とやれるのってすごく楽なんですけど、この前聞いた話で、その通りだなと納得したことがあって。お茶を飲ませてもらったときに言われたのですが、日本人の美学の中には、シンメトリーの均整がとれていることよりも、いびつなものを好む傾向が昔からあるらしいんです。茶碗を持って「どこが真正面なんですか?」と聞いたときに、「真正面はない。概念はありません。自分自身が真正面だと思うところでやればいい」と言われて。昔、綺麗な器には価値がなかったものが多かったらしく、いびつなものが日本では重宝されていたようなんです。そのいびつさやズレ感が、僕自身もやっぱり面白いなと思うんです。芝居が上手い人と上手い人が共演して、ただ上手いまま終わるというのは好きじゃなくて。上手い人がどう崩して面白くするかをやれたらいいなと考えてしまいます。だから高畑(淳子)さんや妹(伊藤沙莉)との焼き鳥屋のシーンとかは、みんな上手い人たちが揃っていますけど、やたらガッチャガッチャしてていびつな感じはするんですよね。声の大きさもそうですし、お父さん(春海四方)なんて何を喋っているからわからないですし(笑)。そういうのはすごくいいなと思いますし、楽しいです。物語を崩してしまったらまずいですが、もっともっと演技でいろいろと遊んで、崩していけたらいいなと。

      

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