役所広司と松岡修造の熱き対決ーー極限状態で新たな『陸王』誕生へ

 「こはぜ屋」一同が「チーム陸王」として駅伝大会に参加し、絆の強さを再確認。満を持して登場したフェリックス社長・御園(松岡修造)の提案に宮沢がその手を握り、さらなる波瀾を予感させた日曜劇場『陸王』(TBS系)。12月17日放送の第9話では、買収問題に揺れる「こはぜ屋」の中、ついに大地(山崎賢人)が新たなアッパー素材を獲得。限られた条件下で、茂木(竹内涼真)のため「陸王」を作り出す。そして「こはぜ屋」の半纏を身にまとった宮沢(役所広司)が、御園と対決するまでが描かれた。

 買収問題が一同の耳に入り、揺れる「こはぜ屋」。各々が意見を交わし合う中、聞きつけた埼玉中央銀行の大橋(馬場徹)は「銀行員として言えるのは、リスクが高いのは事実です。しかしリスクのないビジネスチャンスはない」と口にする。宮沢は飯山(寺尾聰)の「自分のボスになる男がどんな奴か分からないと、賛成も反対もない」という言葉を受け、御園と魚釣りに出かけ、親交を深める。そこで耳にする「私は何度も挫折してきた人間ですよ」という御園の言葉。これに買収へ気持ちを強めた宮沢であったが、あけみの「こはぜ屋は、私の第2の家。古いミシン、先代の残した言葉、値段のつけられないものに価値がある」という言葉に、「こはぜ屋とはみんなのことだ。みんながいれば、こはぜ屋は生き続ける」と返し、お互いポタポタ涙を落とす。夜にひとり走る宮沢は、みんなの想いをくみ取りながらも、買収に同意することを決意する。

 同じ頃、村野(市川右團次)は茂木の元へシューズを集めて持ってきた。ところが彼の手元にはアトランティス社「RⅡ」があった。彼の所属するダイワ食品陸上部の存続のためにも、アトランティスのバックアップの力は必要だ。監督の城戸(音尾琢真)は「部のことじゃなく、自分のことを考えろ」と口にするが、村野は「今のお前に一番最適なのは、このRⅡだ」と言う。豊橋国際マラソンへの出場条件でもある、チャンピオンズカップで好成績を叩き出す茂木。しかし豊橋への出場見送りを告げられる。アトランティスの統計データから、一般実業団ランナーの平均を下回るという予測が出たようだ。彼はフルマラソンでも結果を残せることを証明するため、ひとり走り続ける。彼が闘っている相手は、毛塚(佐野岳)なのか、自分自身なのか。見かねた城戸は他の選手たちに茂木を止めさせ、「毛塚、毛塚って、お前のゴールはもっと先にある。お前が勝つべき相手は、お前自身だ」とムチを打つ。

 そんなある日、ついに大地が新たなアッパー素材を手に入れてくる。彼の健闘を讃える一同と、限られたシルクレイを使い、「陸王」を作り上げる。聞きつけた村野はその出来に興奮を隠せないが、再度の作り直しを要請。しかし続いて完成した「陸王」には「完璧です」と声を震わせる。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる