グッドモーニングアメリカが語る、ファンとのMV制作企画通じて深まった“絆”

グドモが語る“ファンとの絆”

 レコチョクのアーティストとファンをつなぐ、音楽分野に特化した共創・体験型プラットフォーム・WIZYでは、グッドモーニングアメリカの10周年アニバーサリー企画として、ベストアルバム制作に向けたファン投票プロジェクト『グッドモーニングアメリカ初のベストアルバムをファンのみんなと一緒につくりたい!』を昨年10月より実施した。

 同企画はアルバム『502号室のシリウス』購入者を対象としたもので、ファンの投票の結果、「言葉にならない」(2010年リリース1stミニアルバム「空ばかり見ていた」収録曲)が1位を獲得。続いて今年3月から『10周年企画!ベストアルバム楽曲投票1位のMVをみんなで創ろう!』と題して同楽曲のMV制作プロジェクトも行われ、多くのファンが参加した。5月にはサポーターと地元・八王子のライブハウスでMVを撮影。6月2日には、撮影に参加したファンと一緒にMVの先行完成試写会が行われた。

 完成した「言葉にならない」のMVは、出演したファンの“手に書いた文字”が歌詞になって繋がっている、という演出と、ライブシーンが混ざった映像に。一人ひとりがしっかりと映っていることもあり、ファンは感嘆の声を上げながら、映像を楽しんでいた。エンドロールのクレジットには支援者の名前も連なっており、自分の名前を見つけて喜ぶ姿も印象的だった。

グッドモーニングアメリカ「言葉にならない」Music Video【Official】

 イベントでは投票結果を振り返りつつ、金廣真悟(Vo./Gt.)がファン投票1位を獲得した「言葉にならない」について「上位に来るとは思っていたけど、1位だとは思わなかった」とコメントし、ベスト盤についてたなしん(Ba./Cho.)が「どれも思い入れのある曲だから、ベストはCDの容量限界までパンパンに詰めました」と語るなど、メンバーの想像していたランキングとファンの反応には面白い乖離があることや、受け取った思いをなるべく多く収録したことがわかった。イベント中には渡邊幸一(Gt./Cho.)が「初めてグドモのライブに来たのは?」「ほかにMVを作って欲しい曲は?」などファンに逆質問をしたり、MVをコマ送りにして観たというペギ(Dr./Cho.)がMVに出演しているファン全員の顔を覚えていたので、自分の姿を見つけられなかった参加者を代わりに見つけるなど、ファンとの温かい交流が随所に見られた。

 ほかにも、投票結果については、ペギが「『ひこうき雲』はCD特典の音源だったので、ランキングに入ったのが予想外だった。シングル曲が入ってくるとは思わなかったので、最終的に結構入っていた」ことに驚いたことを明かすと、渡邊は「『コールアップ』とか『輝く方へ』も入ると思っていたね」と同意した。

 また、イベント中には金廣の弾き語りコーナーも用意され、「季節外れの曲を」と「カラツ風ガ吹キツケル」、続いてベスト盤に収録される新曲「Darwin’s Train」を初めてアコースティックバージョンで披露すると前置きすると、客席から大きな歓声が。一層会場が盛り上がる中、金廣は同曲と「言葉にならない」を歌い上げた。

 この日、イベントでファンが書いたアンケートには「ほどよくユルくてよかった」「グドモがさらに思い入れのあるバンドになった」と満足の声が多数あり、MV制作プロジェクトについても「八王子という街の暖かさを感じることができた」「勇気を出して顔出ししてよかった。一生の思い出になった」「『言葉にならない』がもっと大好きな曲になった」「エンドロールに名前を見つけられて嬉しかった」といった感想や、「知らない人にもこの作品やMVから勧めたい」というベストの意義を感じさせるコメントまで、熱い意見が寄せられた。

 イベント後、取材に応じてくれた4人に話を聞くと、今回のプロジェクトはスタッフから提案があり、せっかくベストを作るのだから、ファンも巻き込んだものにしたいと満場一致で決まったことを明かしてくれた。また、金廣は「クラウドファンディングをやったことなかったので、どうなんだろうな?と思っていたけど、 “一緒に参加してもらう”ということだと考えはじめ、今回のMVのような、みんなの思い出に残るものが作れて良かった」、たなしんは「何かを買うということではなく、体験を含む特別なものとして価値がある。すごく面白い企画だったし、僕らにとってもとても刺激的な体験だった」と今回の企画を振り返った。また、「こういうイベントで出会った人同士が仲良くなって、ライブへ一緒に来てくれるようになったとか聞くと、嬉しいですね」と、ファン同士の絆も深まっていることを喜んでいた。

 楽曲投票についても、渡邊は「中間結果では、長く応援してくれているコアファンの方が多いかなという印象だったんですが、最終的にはいろんな人に広がって、シングル曲もトップ10に入るようになるなど、バランスが良くなりました」、ペギは「ファン目線になって予想してみたんですけど、最終結果は全然違っていて。そのズレを知ることができたのも面白かったです」と語った。「意外な結果になった楽曲は?」と聞くと、金廣は「光となって」を挙げ「この曲はランキングに入ると思っていました。逆に『マリオネット演者ノ詩』がランクインしたのは意外でしたね」、渡邊は「『あなたの傍に猛ダッシュで』や『STAY WITH ME』のような、リード曲ではなくてもライブで多くやっている曲が入ると嬉しいですね」と語り、ペギは「もっとバラードが入ると思っていたら、『餞の詩』と『ひこうき雲』だけで、アルバムとしてはちょうど良い曲数だったかも」と俯瞰で見たラインナップについて述べ、たなしんは「リード曲や表題曲が少しでも多く入ると嬉しいなと思っていたので、この結果には満足です」と四者四様の感想を話してくれた。

 バンドは今年結成10周年を迎え、「10個くらいの恩返しプロジェクト」を展開中。金廣は「単純に10周年で、普通にライブをやっても仕方ないし、より共有する場所を増やしたり、一緒に楽しむことができれば」と今年の活動スタンスについて語ると、続けて「もっと、お客さんとの距離が縮められる場所を作りたいし、何か一緒にできたら面白いですね」と、今後の展開についても話してくれた。ほかにも「コーラスに参加してもらいたい」「ジャケットの中に名前を載せたい」など、インタビューでは近い将来ファンとともにやってみたい企画についても、様々な意見が飛び出した。

 なお、バンドは10周年企画のなかで、前身バンドfor better,for worseが一夜限りのライブで再始動することを発表した。金廣は「今とfor better,for worseでは、全然声も歌い方も違う。いくつか再録した曲もあるんですけど、やっぱりその曲は大人の香りがしましたね(笑)。そういう意味でも、ベストアルバムと一緒に聴いてもらって、この時にしか出せなかった音を楽しんでもらえれば」と語る。また、同バンドでボーカルを務めていた渡邊は、その前哨戦として行われた1月20日のライブについて「めっちゃ楽しかったです。個人的には昔の曲も好きなので、あとは僕の歌の問題ですね。改めてボーカルってすごいなと思いました」と、久方ぶりの歌唱を照れ臭そうに振り返った。

 グッドモーニングアメリカは「10個くらいの恩返しプロジェクト」のなかで、個人活動の企画も展開中。金廣は弾き語りライブを、たなしんはYouTuberとしての活動を本格化。渡邊は自身の趣味に沿ったイベントを開催するなど、メンバー個々の活動も目立っている。ペギの個人企画については、本人から「楽しみにしていてください」というコメントもあったが、この後、どのような企画が展開されるのか楽しみだ。

(取材・文=中村拓海/撮影=林直幸)

■WIZYプロジェクト情報
10周年企画!ベストアルバム楽曲投票1位のMVをみんなで創ろう!

■リリース情報
グッドモーニングアメリカ
『the BEST HIT GMA』
発売:7月11日(水)
価格:初回限定盤 ¥3,599(税込)
通常盤 ¥3,000(税込)

<CD収録内容>
M1.Darwin’s Train (新曲)
M2.言葉にならない
M3.未来へのスパイラル
M4.空ばかり見ていた
M5.カラツ風ガ吹キツケル
M6.餞の詩
M7.そして今宵は語り合おう
M8.イチ、ニッ、サンでジャンプ
M9.あなたの傍に猛ダッシュで
M10.ひこうき雲
M11.ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ
M12.マリオネット演者ノ詩
M13.STAY WITH ME
M14.コピペ
M15.心臓抉って
M16.アブラカタブラ
M17.キャッチアンドリリース
M18.拝啓、ツラツストラ
M19.風と鳴いて融けてゆけ
初回限定盤、通常盤ともに、CD全収録楽曲をスマホで簡単再生できる「プレイパス」コード封入

<DVD収録内容>※初回限定盤のみ
ベストアルバム完全再現ライブ
『GMAオールスター感謝祭』
2018.5.8代官山UNIT
1.風と鳴いて融けてゆけ
2.拝啓、ツラツストラ
3.キャッチアンドリリース
4.アブラカタブラ
5.心臓抉って
6.コピペ
7.STAY WITH ME
8.マリオネット演者ノ詩
9.ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ
10.ひこうき雲
11.あなたの傍に猛ダッシュで
12.イチ、ニッ、サンでジャンプ
13.そして今宵は語り合おう
14.餞の詩
15.カラツ風ガ吹キツケル
16.空ばかり見ていた
17.未来へのスパイラル
18.言葉にならない

グッドモーニングアメリカ 結成10周年記念サイト

for better, for worse『COMPLETE BEST』
発売:7月11日(水)
価格:¥2,500(税込)

<収録内容>
1. I’m sorry, thank you
2. Drop a curtain with kiss scene
3. Love it more
4. Bluestar
5. Angel's ladder
6. 350 miles away
7. A waning moon 
8. A landscape back to us 
9. Heartstrings 
10. Unchangeable 
11. In the rain 
12. Never forget your mind 
13. Can you hear?
14. Dancing queen 
15. A waiting room 
16. August 9 
17. I can't remain 
18. From bottom of my heart 

■ツアー情報
『グッドモーニングアメリカ「the BEST HIT GMA tour 2018」』
7月19日(木)八王子Match Vox (guest)TOTALFAT
7月24日(火)高松DIME (guest)ircle
7月25日(水)博多Live House CB (guest)フラチナリズム
7月26日(木)熊本Django (guest) フラチナリズム
8月7日(火)KYOTO MUSE (guest) BUZZ THE BEARS
8月8日(水)岡山IMAGE (guest) BUZZ THE BEARS
8月26日(日)DUCE Sapporo (guest)Halo at 四畳半
9月11日(火)仙台JUNK BOX (guest)GOOD4NOTHING
9月22日(土)名古屋ElectricLadyLand (guest)アルカラ
9月25日(火)大阪BIGCAT (guest)BIGMAMA
9月28日(金)マイナビBLITZ赤坂 (guest)for better, for worse
チケット発売中

■関連リンク
グッドモーニングアメリカ公式サイト
グッドモーニングアメリカ レーベル公式サイト

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる