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三浦大知『BEST』リリースインタビュー

三浦大知が語る、ソロデビュー13年の変遷と未来 「日本の音楽の面白さが世界に伝わったら」

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 三浦大知が、3月7日にベストアルバム『BEST』をリリースした。昨年は様々なテレビやメディアに登場し、2018年に入ってからは2月に日本武道館2days公演を大成功させるなど、より広く世間から注目される存在となった三浦。2005年のソロデビューシングル「Keep It Goin’ On」から最新曲「DIVE!」まで、これまでのキャリアが網羅された同作品は三浦大知にとってどんな意味を持つのか。ソロデビューからの13年の歴史を辿りながら、エンターテイナーとしてのこれまでとこれからについて聞いた。(編集部)【ページ最後にプレゼント情報あり】

「素の自分を見せられる方がかっこいい」

ーーこれまでの全シングルが収録された『BEST』ですが、改めてご自身のソロとしてのキャリアを振り返ってみてどんな印象をお持ちですか? 長かった、あっという間だった、など思うところを教えてください。

三浦大知(以下、三浦):過去の曲の並びを見直すと「いろいろやってきたなー」と感じる部分もあるのでそういう意味では長かったとも思いますし、一方では一年一年がすごく充実していたのであっという間だったなという印象もあります。一番強く思うのは、「やっていることは今と昔で変わっていないんだな」ということですね。自分がいいなと思ったことを、三浦大知というチームとしてひとつずつ実現してここまで来ました。そうやってやり続けてこれたことをすごくありがたく思っています。

ーーFolderでの活動を経てソロとして改めて「Keep It Goin’ On」でデビューされたのが2005年ですね。もう13年も前のことですが、その頃の心境を少し思い出していただければ。

三浦:「また歌えるんだ」っていう喜びがとにかく大きかったですね。曲のタイトルどおり、「またここからやり続けていくぞ」と希望を感じていました。

三浦大知「Keep It Goin’ On」MV

ーー「この先こうなりたい」みたいなビジョンは当時お持ちでしたか?

三浦:「あそこでライブをやってみたい」とかっていう願望はいろいろありましたけど、「ビジョン」とか「遠い未来の目標」とかそういうのはなかったですね。先のことを考えるよりも、目の前の小さなことを積み重ねていくのが大事だと思っていました。その考え方は今でも変わっていないんですけど……当時から今まで自分の思いの根底にあるのは、「オリジナルな存在になりたい」というのと、あとは「誰かにとっての気づきになるようなエンターテインメントを作りたい」ということですね。そういう気持ちを軸にして、その時々で何ができるかを模索してきて今に至る、という感じです。

ーー「気づきになるエンターテインメント」というのは面白い考え方ですね。三浦さんの音楽を聴くことで視野が広がったりするような……。

三浦:はい。「自分ってこういう気持ちになれるんだ!」とか、「自分はこう考えていたけど、反対側から見るとこんな景色が見えるぞ」とか、そういうことに気づく時って、人生においてすごく豊かな瞬間だと思うんですよね。自分の表現を通じてそういう場面をたくさん生み出せたらいいなと常に考えています。「大知くんはこう歌っているけどわたしはこう思う」でもいいですし、自分と向き合うきっかけを提供できたらいいなと。

ーーなるほど。今もお話いただいたとおりデビュー時から今まで一貫した考え方で活動されているかと思いますが、『BEST』の収録曲に目を向けると、「music」を始めとした『FEVER』の収録曲あたりから肩の力が抜けてきているような印象を受けました。もしこのあたりでの心境の変化などあれば教えていただけますか。

三浦:『FEVER』の頃は、年齢的にも30歳に近づいていく中で、変にかっこつけるよりもナチュラルな感じの方がかっこいいんじゃないかなと思うようになってきたタイミングだったかもしれないですね。

ーーそれ以前は「外向きな自分」みたいなものを意識している部分もあったんでしょうか。

三浦:どこかでそういうのもあったような気がします。『FEVER』の前に『The Entertainer』っていうアルバムを出しているんですが、あの頃はタイトルで風呂敷を広げてしまった手前もあるので(笑)、「かちっとしたものを見せよう!」みたいな意識が強かったんですよね。もちろん今でも人を楽しませるもの、エンターテインメントとして成立するものを作ろうと思ってやっているんですが、ひとりの人間として長く歌って踊っていくためにはもっと自然体の自分を出していってもいいのかな、と思い始めていたのが『FEVER』をリリースしたあたりの時期だったと思います。

ーー『FEVER』が出た翌年の2016年に、『トットてれび』(NHK総合)にチャップリン役で出演されていたじゃないですか。あれ、すごく面白かったのでいまだに録画してあるんですけど。

三浦:(笑)。

ーーチャップリンもそうですし、去年は『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)もありましたし、この前は『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でノリツッコミみたいなことをさせられていましたが……。

三浦:あれは……本当にどうしたものかと思いました(笑)。『Mステ』でこんなことさせられるのかと(笑)。

ーー単にメディアでそういう企画が多くなっただけというタイミングの話もあるとは思いますが、最近は今お話にあったような「かっこつけすぎない三浦大知」を見せる機会が増えてきていますね。

三浦:素の自分を見せられる方がかっこいい、みたいなモードには間違いなくなってきていると思います。あとは先輩方の影響もあると思いますね。たとえば(笑福亭)鶴瓶さんとか、あんなキャリアのある方なのに誰に対しても壁を作らないんですよね。あの感じは本当に粋だと思うし、ああいうふうになりたいというのはすごくあります。

ーーなるほど。三浦さんにとって『A-Studio』(TBS系)で鶴瓶さんと共演したのは大きかったんですね。

三浦:大きいですね。あの時がほとんど初対面だったのに、自然と「鶴瓶さん!」とか言えてる自分がいたんですよね。ステージの裏でも、僕が席を外しているちょっとの間にダンサーたちと友達みたいに話していたり……(笑)。ああやっていろんな人とフラットに接する姿勢には学ばせてもらうところがたくさんあります。

「“報われない”と思ったことがない」

ーー今回のベスト盤には新曲「DIVE!」も収録されています。ダンサブルなこの曲を聴かせていただいて、「みんなが考える三浦大知」を体現している楽曲だなと思いました。

三浦:はい、まさにそこを目指しました。「DIVE!」は「ベスト盤を経ての三浦大知の次の一手」ではなくて、「ベスト盤に収録されている楽曲と並んだときに違和感のない新曲」をイメージして作ったものです。これまで積み重ねてきたものの延長線上にある、つまり「三浦大知っぽい」感触がある、でも今まで聴いたことがない、そういうバランスを開拓できたら面白いなと思っていました。

ーー「三浦大知っぽい表現」というのを三浦さんがあえて言語化するとどういうものになりますか?

三浦:そうだな……「音から動きが見えるもの」じゃないですかね。曲を聴いたときにダンスがイメージできる、そういう音楽が三浦大知らしいものなのかなと。

三浦大知「DIVE!」MV

ーー確かに楽曲からビジュアルが思い浮かぶのが三浦さんの音楽の特徴かもしれないですね。「DIVE!」のMVはマイケル・ジャクソン「Black or White」のオマージュから始まります。ここまでのキャリアを総括する作品というところからご自身のルーツに絡めたアイデアが生まれたのでしょうか。

三浦:「DIVE!」のMVはこれまでのシングルで作ってきた映像の要素を全曲分何かしら入れる、つまり「自分で自分のオマージュをやる」というコンセプトで作ったんですけど、その最初に自分が強く影響を受けたもののオマージュをやったら面白いんじゃないかと思ってああいう形になりました。

ーー「DIVE!」の歌詞には<向かい風><追い風>という表現がありますよね。これに関連してお聞きしたいんですが、三浦さんはこれまでの活動の中で「向かい風」のようなものを感じてしんどかった時期はありましたか?

三浦:向かい風……うーん、どうだろうな。「The Answer」の頃に自分の声と改めて向き合い直すみたいなことがあって、それはそれで大変でしたけど「向かい風」とはまた違うかな。後ろ向きな気持ちになっていた時期は正直あまりないです。常に「その状況を楽しもう」と思いながらやってきました。

ーーなるほど。少し角度を変えると、今いろいろなアーティストの方が「時代が三浦大知に追いついた」みたいな話をされているじゃないですか。先日の武道館のライブでの宇多丸さんの「正義は勝つ」という発言も印象的だったんですけど、おそらく皆さんそれぞれの立場で、三浦さんがハイレベルなことをやっているにもかかわらずなかなか報われないというような状況にやきもきされていたんだと思うんですよね。そんな中でご本人はどのように感じていたのかなと。

三浦:僕としては、そもそも「報われない」と思ったことがないんですよね。小さな積み重ねだったかもしれないけど、「ずっと上がってきている」っていう感覚なんですよ。ライブに関しても、東京で小さいところでやって、大阪でもできるようになった、名古屋にも行けるようになった、会場も大きくなってきた、こんなところにも呼んでもらえるようになった、って先に進んでいる実感があったので……だから、「報われない」とか「伝わらない」とかそういう感情はあまりなかったですね。

ーー常に右肩上がりだったと。

三浦:はい、自分としては。周りで見ていた方には「地道だな……」と思われていたかもしれないですけど(笑)。ありがたいことに以前から「三浦大知、もっとこうなったらいいのに」というような言葉を掛けていただけることが多かったので、そういう方々からするともしかしたら物足りない部分もあったのかもしれないんですが、僕としては「今度はこんなチャンスがきたぞ」っていうのをチームでひとつずつクリアしてきた結果としてここまで来れた、という印象ですね。

ーー最初にお話しいただいた「大きな目標を立てるよりも、目の前の小さいことを積み重ねていくことを大事にしたい」という考え方だったからこそ、そういう心境でいられたのかもしれないですね。デビュー当初から「天下とってやる!」みたいなことを目標にしていたらまた違う感じ方だったのかもしれないですけど。

三浦:そうですね。

ーー三浦さんよりも三浦さんを応援してきた人たちの方が、今の状況に対して「ほら見ろ!」と思っているかもしれないですね(笑)。

三浦:そうかもしれないですね。長く応援いただいている方々には本当に感謝していますし、この先も皆さんが「三浦大知すごいだろ!」って胸を張って言い続けられるように頑張っていくことが恩返しなのかなと思っています。

      

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