Ivy to Fraudulent Gameが語る“音楽を描く”理由 「マイナスなものをプラスに変えられる」

Ivyが語る音楽を描く理由

 Ivy to Fraudulent Game(アイヴィ・トゥ・フロウジュレント・ゲーム/以下、Ivy)が、1stアルバム『回転する』をリリースした。Ivyは、2010年10月に群馬県で結成された4人組ロックバンド。寺口宣明(Gt/Vo)、カワイリョウタロウ(Ba/Cho)、大島知起(Gt)、福島由也(Dr/Cho)の4人からなり、福島が全楽曲の作詞作曲を担当している。

 7月9日に東京・恵比寿 LIQUIDROOMにて開催された、『2nd mini album “継ぐ” release tour “告ぐ“』のツアーファイナル公演で、年内にメジャーデビューをすることを発表したIvy。今作は、メジャー進出第一弾作品となり、新曲のほかに以前から演奏している楽曲「青写真」、「アイドル」、「dulcet」、「+」の4曲が再録されている。

 今回リアルサウンドでは、メンバー全員へのインタビューを行い、結成当時から今日までの道のりや今作に込めた想い、さらにはメンバーそれぞれが音楽に向き合う姿勢など、じっくりと語ってもらった。(戸塚安友奈)

福島の作る曲に惹かれて集まってきた(寺口)

ーーまずは改めて、バンド結成までの経緯について教えてください。

寺口宣明(以下、寺口):みんな住んでるところも違うし、元々は別のバンドを組んでいました。福島がメンバーを集めたんですが、彼はこのバンドを結成する前、高校1年の時に、メンバーを探すために10バンドくらいコピーバンドをやってたんですよ。オリジナルの曲を作りつつ。そのうちのひとつが、俺が初めて組んだバンドだったんですが、それがキッカケで彼は俺に決めてくれたらしいです。

ーー福島さんは、コピーバンドをたくさん組む中で、なぜ寺口さんをボーカルに選んだのですか?

福島由也(以下、福島):「僕が初めていいなと思ったボーカリストだったんです。それまで10バンドやっていても、ピンとくるボーカルは一人もいなかったので。彼の歌声を聴いた時に、感動したと言うか。今は歌声だけでなく、ボーカリスト、フロントマンとしての佇まいや、強い意志を感じます。ほかのボーカリストにはあんまりない雰囲気を纏ってるのが、彼の魅力だと思っていますね。だから元々、僕は好きで一緒にバンドをやってるから、お客さんと同じように彼のことを俯瞰しては見られないです。

寺口:福島とバンドを結成した当時は、メンバー全員が高校生だったので、進路とか色んな理由で、ギターが二人辞めていきました。ベースも急に辞めるって言い出して、地元のお世話になってるライブハウスの方に「誰かサポートでもいいので、ベースを弾いてくれる人いませんか?」って相談したらリョウタロウを紹介してもらったんです。彼、当時やってたバンドが解散して、放浪していたので(笑)。初めはサポートで入ってもらって、途中から正式加入しました。大島は地元でほかのバンドを組んでいて、元々俺たちのことを知っててくれたんです。

大島知起(以下、大島):(高崎)TRUST55で観ていて。

寺口:TRUST55で高校生イベントっていう、コピー、オリジナル問わずに高校生のバンドだけが出演するイベントがあって、そこで大島が俺たちの曲をコピーしてたんですよ。その時まだリョウタロウは入ってないんですが、ギターがちょうど抜けちゃって、初期メンバーの3人で活動してたんです。そんな時に出会ったので、「じゃあ、ギターで入る!」ってなったんですよ。だから、俺らはライブハウスで出会ったメンバーなんです。幼馴染とかじゃないし、住んでるところも違えば、ルーツも違う。単純に、福島の作る曲に惹かれて集まってきたっていう感じですね。

ーー当時の群馬では、Ivyと同世代のバンドが多かった印象です。ほかのバンドから刺激を受けることはありましたか?

寺口:確かに高校生くらいの時、群馬県では同世代でオリジナルバンドをやっている人がかなりいて、その中でもライバル視してたのはFurphy Amplifierっていうバンドです。今は、無期限活動休止してしまったんですが。彼らのライブ見る度に、上手くて、俺は悔しかったというか、すごく嫌だなって思ってましたね(笑)。でも、彼らがいたからこそ、俺たちもやってやらなきゃなという気持ちになりました。

カワイリョウタロウ(以下、カワイ):近い存在だったしね。

寺口:そうそう。最近は群馬のバンドも段々と少なくなってきちゃって……。まあでも、今は周りのバンドをあまり意識しないですね。

カワイ:そうだね。かっこいい音楽って感動させられるので、一リスナーとして好きになってしまうんです。だから、ライバル視はしないですね。

大島:刺激は受けますけどね。

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