DOBERMAN INFINITYが、パーティーを追求する理由「ヒップホップの楽しさを幅広く届けたい」

D.Iがパーティーを追求する理由

 DOBERMAN INFINITYが、2ndミニアルバム『#PLAY』を6月14日リリースした。本作には、結成3周年を華々しく祝うパーティーチューン「DO PARTY」など、これから訪れる開放的な季節にぴったりな充実の7曲を収録している。リアルサウンドでは本作のリリースを機に、初のメンバー全員インタビューを企画。彼らが掲げる「ALL ROUND HIP HOP」が示すものや『#PLAY』にこめたグループの意思、さらには7月に開催されるイベント『D.Island 2017』への意気込みなどについて語ってもらった。(編集部)【インタビューページ後には、チェキプレゼントあり】※応募終了しました。

「ALL ROUND HIP HOP」とは

――DOBERMAN INFINITYは、「ALL ROUND HIP HOP」をコンセプトに掲げて活動していて、昨年11月にリリースした『TERMINAL』では、そのスタイルを明示していました。あらためて「ALL ROUND HIP HOP」とはどんなものかを教えてください。

SWAY:「ALL ROUND HIP HOP」というコンセプトは、DOBERMAN INFINITYが3年間の活動の中で幅広い楽曲に挑戦してきたことの結果としてたどり着いたものです。僕らはデビュー曲「INFINITY」でロック色の強いハードな楽曲からスタートして、「SAY YEAH!!」のようなEDM楽曲に挑戦し、さらに「Finally I...」ではトラップに、「JUMP AROUD∞」では王道的なブレイクビーツに、「GA GA SUMMER」ではレイドバック感のあるパーティーチューンにと、あらゆる方面のアプローチをしてきました。僕らとしてはこの“振り幅”こそが武器だと考えているのですが、聴く人によってはブレと感じられるかもしれない。だったら、自分たちのスタイルとして明示していこうと考え、「ALL ROUND HIP HOP」と宣言することにしました。それこそ、今回の2ndミニアルバム『#PLAY』に収録された「DO PARTY」は、「ALL ROUND HIP HOP」というコンセプトがあったからこそ、作ることができたのだと思います。

GS:DOBERMAN INFINITYは4MC1ボーカルという特殊なスタイルで出発しているから、当初から自分たち独自のスタイルを打ち出していけると考えていました。メンバーの年齢も幅広いし、聴いてきた音楽もそれぞれ異なるからこそ、5人が揃えばヒップホップだけじゃなく、いろんな音楽ジャンルのエッセンスを落とし込むことができるなと。たとえばKAZUKIなら、ボーカリストとしてR&Bを相当聞き込んでいる。それぞれの音楽ルーツを持ち寄った結果として生まれたものを、「ALL ROUND HIP HOP」と名付けたんです。

――2月から4月にかけて行った『TERMINAL』を提げてのツアーでは、なにか発見はありましたか?

P-CHO

P-CHO:初めての全国11カ所、14公演というホールツアーで、バンドチームのみんなと回ることができたのは大きかったですね。リハーサルからみんなでスタジオに入って、もともとレコーディングしていた楽曲をバンドアレンジすることでどんな風にパワーアップさせるかを模索したのは、僕たちにとっても良い経験でした。これまではDJ HALのターンテーブルを軸にしていたのが、バンドを加えることでさらにカッコよくすることができると気づいたのは、音楽的にも発見でしたし、僕たちの新たな武器にできるとも感じました。

KAZUKI:今回のツアーは、音楽性で勝負したいと考えていたのですが、バンドメンバーのおかげでちゃんと結果を出すことができたんじゃないかと思います。音源でライブをするのもヒップホップとしてカッコイイけれど、生バンドでやるとやっぱり音楽が生きている感じがするし、そのグルーヴ感に僕らも背中を押されました。夏はいろいろなフェスにも出演する予定なのですが、バンドメンバーと一緒にやることでインパクトを残していきたいですね。

――今後、バンドサウンドを軸とした楽曲が生まれる可能性は?

KAZUKI

KAZUKI:曲によっては、そういうのあってもいいですよね。

GS:「to YOU」という楽曲は、もともと打ち込みだったんですけれど、今回のツアーでアコースティック・バージョンに挑戦したんです。そしたらすごくメロウな楽曲に生まれ変わって、面白かったんですよね。こういうアプローチも「ALL ROUND HIP HOP」に加えていって良いかもしれない。

――5月には、3周年記念公演として幕張メッセで『iii-three』を行いましたが、どんな気持ちで臨み、どんな手答えを得ましたか?

GS:ホールツアーで得た良い部分を活かしながら、3周年ということで、初期の楽曲もバージョンアップして届けられるように努めました。僕らがどんな風にパワーアップしたのか、ちゃんとお客さんに伝わっている感触はありましたね。加えて、MIGHTY CROWNさんやANARCHYくん、AK-69さんなどと共演できたのも、すごく良い経験になりました。

SWAY:新曲の「DO PARTY」も、3周年をド派手に祝おうという気持ちを込めて作ったパーティーチューンだったので、幕張メッセで披露できたのは本当に最高でした。

――「DO PARTY」は、たしかにその名の通りのド派手なパーティーチューンですね。

GS:3年間を振り返ってみると、DOBERMAN INFINITYは結局、パーティーが大好きなんですよ(笑)。お客さんにも、それを求めてもらっているのは感じていましたし、夏も近づいてきているので、ここでとにかく決定的なパーティーチューンを作ろうと。これまでも色々なパーティーチューンを作ってきたから、使えるワードとかも限られるじゃないですか? 「エンジョイ」とか、「サマー」とか、前にも使ったなぁって。でも、今回はそれを一度リセットして、3年間に僕らが5人で感じてきたものーーライブの風景や空気感やヴァイブスを、ワードが被っても良いから詰め込もうと考えたんです。結果的に、もうしばらくパーティーチューンは作れないってぐらい、すべてを注ぎ込んだ一曲になりました。

P-CHO:楽曲面でも、最強のパーティーチューンを生み出すために、本当にたくさんのサウンドを集めて吟味しました。ラテンのテイストが入ったベースの楽曲に、僕らのアイデアもどんどん足してもらって。イントロにはホーンを入れてもらったりとか、パーティー感を出すための工夫をしています。

DOBERMAN INFINITY「DO PARTY」

『#PLAY』のコンセプト

GS

――今回のミニアルバム『#PLAY』には「DO PARTY」以外にも、様々なパーティーチューンが入っていますね。

GS:パーティーをコンセプトに色々な楽曲を作っているうちに、去年の末にはミニアルバムの全体の構想もできていました。ひとことでパーティーといっても、色々ありますから。たとえば「Vanilla」って曲は、僕らがよく行くクラブでのパーティーをモチーフにしていますし、「@we like a harley」は、みんなでバイクに乗って走るのも、ひとつのパーティーだなと。で、パーティーを追求していく中で、キーワードとして浮かんできたのが「PLAY」という言葉なんです。考えてみれば、音楽を作ることも、ライブをすることも、仕事をすることも、遊ぶことも、極論を言えば生きていることも含めて、すべて「PLAY」という言葉に集約できるなと。もともとのパーティーというコンセプトとも親和性があるし、これは良い言葉だねって。それで最後に出来上がったのが「#PLAY」という楽曲でした。この楽曲で言いたかったのは、いつまでも「PLAYER」でいようということで、これからも遊んでいくぞ、騒いでいくぞという意思を込めています。自分たちの想いがしっかり言葉にできたのは嬉しかったですね。

――「PLAYER」って言葉自体、ヒップホップらしいワードですよね。一方で、「Make Some Noise」はある意味、もっともヒップホップから遠いサウンドアプローチをしています。オールディーズのロックンロールをベースにしていて、60年代の懐かしさを感じました。もちろん、ヒップホップらしいブレイクも入っているのですが、なぜこういう楽曲に挑戦しようと思ったのでしょうか?

SWAY

SWAY:僕らにとっては逆に新鮮で、これまでにやっていない新しいアプローチだと直感したからですね。あと、ライブでやったときにお客さんが歌いやすくて、盛り上がる一曲になると思いました。それこそ、「Make Some Noise」ですから。

――日本の場合、手拍子で乗れるくらいわかりやすいリズムじゃないと受け入れてもらえないというか、ヒップホップはいわゆるアップ&ダウンのノリがあって慣れないと乗るのが難しい。その辺りはどう捉えていますか?

SWAY:乗り方やグルーヴ感をお客さんに伝えるのは、僕らの課題ではありますね。ただ、ライブを重ねるたびに、お客さんも良い感じになっているのは実感しています。僕らは基本的にダンスをしないグループなので、その中での新しいグルーヴを伝えたくて。今回、「DO PARTY」で僕らがちょっとした振り付けをしているのは、飽きさせないライブにしたいというのもありますが、お客さんにもっとわかりやすくグルーヴを伝える意味もあります。

ーーたしかに、先日のホールツアーでのお客さんの乗り方は、かなり良い感じでしたね。あの規模でヒップホップのグルーヴ感が感じられるライブは、ほかにあまりないです。

SWAY:会場が広くなればなるほど、一体感というか、グルーヴを共有するのは難しくなりますが、そこを僕らがうまく提示することで、しっかり会場を揺らしていきたいなと。もちろん、こういう風に乗らなければいけないという決まりがあるわけではなく、いろんな楽しみ方ができるのがDOBERMAN INFINITYの真骨頂でもあるので、自由に楽しんでもらうのが一番です。その結果として、大きなグルーヴが生み出せたら良いなと。

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