“活動安定期”に再びチャートを賑わす条件は? BIGBANG新作などから検証

参考:2017年2月13日~2017年2月19日週間 CDアルバムランキング(2017年2月27日付)(ORICON STYLE)

 発売初週に3位で登場し、次週は1位→三週目2位にランクインしていたGReeeeNのベストアルバムが、今週は6位にランクダウン。とはいえ四週目でも12,487枚の売り上げですから、立派なロングセラー作品と言えます。いま改めて声を張り上げ「キセキ」を歌っている人も多いのでしょう。GReeeeNの曲は、鼻歌ではなく、なぜか大声で歌いたくなりますね。不思議。

 ただ、GReeeeNが今をときめく大人気グループかといえば微妙なところで、二週間前の当連載でレジー氏は「緩やかなダウントレンド」と表現。しかしグリーンボーイズが突破口となり「強い楽曲があれば、カバー曲などをきっかけに何度でもそのグループは復活できる」と分析しています。なるほど。

 今週はそういうタイプの作品がいくつか。穏やかな安定期にあるアーティストに、どんなテコが入れば再びチャートを賑わす作品が生まれるのか。そのヒントがいくつも散らばっています。

 まず1位のBIGBANG。今もトップレベルの韓流グループではあるものの、2013年以降は各自がソロ活動に専念しグループとして新曲のリリースがないなど、穏やかな安定期に入っていました。

 そんな彼らの起爆剤となったのは、世界15カ国で約150万人を動員するワールドツアーを行い、(本国では)8年ぶりのフルアルバムを発表するという「MADEプロジェクト」。約一年に及んだツアーは大成功を収めましたが、予定されていたアルバム『MADE』は当初の発売予定から延期になるなど、ファンは相当な焦燥を味わったはず。結果的にアルバム『MADE』は昨年、デビュー10周年にあたる2016年の年末にようやくリリース。また、来年の2月になれば最年長のメンバーが兵役に就き、ほかのメンバーも順次入隊していくことが、この時点ですでにわかっていたのでした。

 本当に久々のアルバムで、このメンバーが揃う姿はしばらく見られない。このドラマはファンの心をどれだけ打ったことでしょう。今週1位になったのは『MADE』の日本バージョンですが、2カ月遅れの日本盤だというのに初週で10.1万枚セールス。韓流に疎ければ「BIGBANGって名前、久々に聞くよね?」という感じですが、これは当然の数字だったのです。

 2位のSCANDAL。美少女揃いの女子高生バンドとしてデビューしたのは2008年ですが、最初は「アイドルっぽいバンド」に見えたし、制服姿でギターを弾く姿にも何かしら「オトナの戦略」を感じたものです。が、時が経つにつれて4人はライブバンドとしてめきめき成長。ツアーの日程はどんどん長くなり、2015年には初のワールドツアーや、東名阪アリーナツアーも行っています。結果、ティーンの輝きを手放した今も、ちゃんと支持され、憧れられる存在に。今回の『SCANDAL』は結成10周年を記念するファン投票ベスト・アルバムですが、この作品を引っ提げて、来月から彼女たちは47都道府県ツアーをスタートさせるそう。リアルな現場にこだわる姿勢が、31,180枚というセールスに結びつくのでしょう。

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