>  >  > ロックバンドそれぞれの表現で新フェーズへ

森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.38

バクホン、SHISHAMO、クリープ、黒猫チェルシー、爆弾ジョニー…ロックバンドが迎える新局面

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THE BACK HORN
クリープハイプ
黒猫チェルシー
JPOP
ROCK
バンド
本日、フラゲ日!
森朋之
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 意外な組み合わせによるコラボレーションから生まれた楽曲、ルーツに回帰することで自らの独創性を示した作品、そして、久々のカムバックとなるライブアルバムまで。それぞれの表現方法により、2017年早春、新たなフェーズに向かうロックバンドの新作を紹介します。

 活動19年目を迎えたTHE BACK HORNの2017年最初のシングル曲は、宇多田ヒカルをプロデューサーに迎えた「あなたが待ってる」。作詞・作曲を手がけた菅沼栄純(G)の頭のなかで宇多田ヒカル、山田将司(V)が一緒に歌っているのが聴こえてきたことに端を発したこの曲は、“大切な人のことを思い浮かべるだけで、温かく、優しい気持ちになれる”という心理的状況(←このテーマは宇多田の最新作『Fantôme』とも重なっている)を描いたミディアムバラード。ボーカル、ピアノ、さらに作詞、アレンジにも参加した宇多田との共同作業によって、THE BACK HORN特有の濃密なバンドグルーヴを残しつつ、ポップスとしての精度を高めることに成功している。

THE BACK HORN - あなたが待ってる

 docomo CM「ドコモの学割」に出演するなど、さらに知名度を上げているSHISHAMOのニューアルバム『SHISHAMO 4』。“全曲シングル級の楽曲を揃える”という意気込みで制作された本作は、モータウンのテイストを取り込んだアッパーチューン「好き好き!」、ピアノをメインにしたバラードナンバー「恋」、華々しいホーンセクションをフィーチャーした「メトロ」など、さらにポップス感を増した仕上がり。3ピースのロックンロールバンドとしての存在感、ストーリーテラーの資質を備えた宮崎朝子(V/G)のソングライティングもさらに向上していて、J-POPユーザーからバンドキッズまで、全方位的なリスナーを視野に入れた作品と言えるだろう。

SHISHAMO「明日も」

 前作『世界観』で示した音楽性の広がり、そして、日常のなかに潜む葛藤と諦念と希望が入り混じった一瞬のストーリーを描き出すソングライティングをさらに突き詰めた、クリープハイプの5曲入り“作品集”『もうすぐ着くから待っててね』。ソウルミュージック・テイストを反映したサウンドのなかで<ただちゃんと好きなんだ>と伝えようとする(もちろん伝えられない)あまりにもピュアなラブソング「ただ」、ポストパンク的な鋭い音像とともに<この歌に意味はない。だからこそ美しいだよ>とリスナーに突きつける「は?」、小学生同士の愛らしくも切ない友情を描いた「校庭の隅に二人、風が吹いて今なら言えるかな」など、とにかく名曲揃い。“いい曲を作れば大丈夫”という原点に立ち返った本作は、クリープハイプの新たな出発点になりそうだ。

クリープハイプ -「ただ」MUSIC VIDEO (from 2017.2.22 Release 作品集「もうすぐ着くから待っててね」)

     
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