lyrical school(hime、minan)×Creepy Nuts特別対談「アイドルラップで出来ることは全部やってみたい」

lyrical school✕Creepy Nuts対談

「スマホが乗っ取られたか!」と見紛うような、スマートフォンの縦長画面と、アプリなどによる機能性を最大限に活用し、現実と映像をミックス・アップした仮想現実的なMV「RUN and RUN」が大きな注目を集めた6人組ヒップホップ・アイドルグループ、lyrical school。

 そして、「フリースタイルダンジョン」でチャレンジャーを蹴散らすモンスターとして活躍するR-指定と、プロデューサーとしてのソロ作のリリースや、TOC(Hilcrhyme)などバックDJも務めるDJ松永がタッグを組んだユニット、Creepy Nuts。

 lyrical schoolは今作『RUN and RUN』でメジャー進出を果たし、Creepy Nutsも全国ツアーをほぼソールド・アウトにするなど、飛ぶ鳥を落とす勢いの両者がこの場に邂逅し、ラップについて、キャリアについて、ライフ・ヒストリーについて、お互いの思いを話し合う特別対談。そこから見える「いまの音楽像」とは!(高木“JET”晋一郎)

「アイドルを一番可愛く魅せるのはラップなんじゃないか」(R-指定)

ーーこの対談の直前に開催されたイベント「震撼コンパ」で、Creepy Nuts(以下、Creepy)とlyrical school(以下、リリスク)は顔を揃えていますね。

R-指定:もう礼儀正しいですよね。全員整列して「lyrical schoolです! よろしくお願いします!」って。俺らはもう「いやいやそんな……」って。

DJ松永:「僕らみたいなもんに……」って挙動不審になってしまって(笑)。

ーーライブの感想は?

R-指定:ライブは……とにかく可愛い!

DJ松永:可愛いよねぇ(しみじみと)。

R-指定:感想が雑(笑)。でも、感想を「可愛い」に集約したのは意味があるんですよ。

ーーでは、その心は?

R-指定:ラップとアイドルって、遠いように見えて、実はスゴく親和性が高いと思うんですよね。僕は「タマフル」(「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」TBSラジオ)のリスナーなんですけど、宇多丸さんが「ヒップホップ好きだったら、アイドルも好きになれる、その逆も然り」っていうニュアンスのことを仰ってられて。実際にリリスクを始め、アイドルでラップをするグループの方を見たら、宇多丸さんの言ってたことが納得出来たんですよ。というのは、まず「ラッパーは特異な存在」だと思うんですよね。いわゆるボーカリストやシンガーとは違って、ラッパーは自分の名前を名乗る、自分のことをリリックに織り込む、キャラクターが大事、グループだったらそれぞれが持ち場/ヴァースを披露して、それがショウになる……今の話はラップグループにもアイドルグループにも置き換えられますよね。

ーー確かにどちらにも当てはまる。

R-指定:だから、実はスゴく近いモノを持ってるんやろうなって。そして、ラッパーも可愛い人が多いんですよ。

DJ松永:確かにNipps(BUDDHA BRAND)さんとかめっちゃ可愛い。

R-指定:それを可愛い女の子がやるんですよ?

DJ松永:あ~! 超可愛いね!

R-指定:でしょ。しかも、ラップでありアイドルって、今の理屈からいけば、可愛いモノをダブルで載せてるじゃないですか。だから、アイドルっていうフォーマットを一番可愛く魅せる、活かすのはラップなんじゃないかなと思うし、そういう全てをリリスクのライブに感じたから、感想は「可愛い」だったんです。

minan:なるほど~。そうなんですね!

hime:「高校生ラップ選手権」(以下「高ラ選」)でR-指定さんの審査を見て、私も審査されたいって思ってたんで、嬉しいです(笑)。

R-指定:半分以上、宇多丸さんの受け売りやけど(笑)。

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lyrical school(左からminan、hime)

ーーではリリスクから見たCreepyは?

minan:本当にチームワークが良くて、安心するんですよね。仲の良さも伝わってくるから、会場がアットホームな雰囲気になると思います。

hime:私はCreepyのライブを見に行ってるんですよ。

DJ松永:ホント、何度か来て頂いてまして。ありがとうございます。

hime:今回は二階席で見させて頂いたんで、ちょっと遠くからだったんですけど、それでもスゴく近く感じたんですよね。それは、お客さんとの一体感から生まれるモノなのかなって。どこにいても近い距離で感じられるのはスゴいなって。リリスク全員で見てましたよね。

minan:うん。めちゃくちゃ格好良かった~。見逃せない、瞬き出来ないみたいなライブで感動しました。

R-指定 & DJ松永:(顔を見合わせる)

ーーCreepyは褒められるとどうして良いか分からないという(笑)。himeさんはCreepyをいつから聴いているの?

hime:「高校生ラップ選手権」を見に行って、その時に審査員をされてたR-指定さんのことをまず知って。それからTOCさんのライブで、バックDJの松永さんのことも知って。だから、最初は別々に知ったんですけど、Creepyとして最初にライブを見させて頂いたのは、ACEさんのアルバム『STRAIGHT』のリリース・パーティ(「渋谷ST MUSIC FES vol 零」2015年9月27日)で、Creepyがライブをされてて。

DJ松永:VUENOSだ。

R-指定:あんなガラの悪い所に来てたんですか! あんなトコ来たらダメですよ(笑)。

DJ松永:お気をつけて!(笑)

ーー悪いイメージ植え付けてどうするんだ。

hime:アハハ。TOCさんや色んな方が出演していたんですけど、その時に一番惹きこまれたのがCreepyのライブだったんですよね。だからライブで生で見て好きになりました。Creepyのライブは、格好良さを詰め込んだライブだと思うし、とにかく楽しいのと、見てると自分もラップしたくなるんですよね。そういう心が震わされる感じがあって。

DJ松永:……こんなに耳心地のいいトーク、世の中にありますかねぇ(笑)。

R-指定:最高の鼓膜の揺れ方してますよ(笑)。

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Creepy Nuts(左からR-指定、DJ松永)

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