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全国ツアー『Neo Retro Music 2016』東京公演レポート

石橋凌が辿り着いた“Neo Retro Music”という境地 全国ツアー東京公演をレポート

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 石橋凌の全国ツアー『Neo Retro Music 2016』が、3月17日に札幌CubeGarden公演で千秋楽を迎えた。そこで、3月6日に行われた東京・EX THEATER ROPPONGI公演でのレポートをお届けしたい。

 なぜいま石橋凌なのか? その答えはヴォーカル力の凄まじさ、自身による作詞曲のクリエイティヴ力と表現力の高さ、そして親しみやすいお茶の間感を大事にしながらも、世の中の動きとシンクロするメッセージ性の強さにある。

 ライブのオープニングはキーボードとバイオリンの3人編成によるアコースティック・セット「RESPECT THE NIGHT」からスタートした。石橋凌の頭上から降り注ぐライトが、時間が止まったような雰囲気を醸し出していたことが忘れられない。震災以降、これまでの日常にあった価値観に変化が起きたいま、期せずして本当に大切なことを教えてくれる1曲だ。震災から5年、石橋凌は多くは語らずに楽曲を通じてメッセージを届けてくれたのかもしれない。

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どんなに辛い夜でも 必ず朝日は昇るもの
両手の指の隙間から 月明かりがこぼれ落ちても
きっと・・・きっと・・・きっと
「RESPECT THE NIGHT」より
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 続いて歌われたのは、ARB時代の名曲「Just a 16」だ。リリース当時、社会問題に対して問題定義を生んだ楽曲と話題になったが、石橋凌は途中顔を覆うように心情を緊迫感を持って表現。アコーディオンとバイオリンによる、せつなくも美しいアレンジが共鳴しあい、心を揺さぶってくる。

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Just a 16 本当は俺は何も知らない
「Just a 16」より
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 バンドメンバーは、日本最強といっても過言ではない池畑潤二(Ds)、渡辺圭一(B)、藤井一彦(G)、伊東ミキオ(Key)、梅津和時(Sax)、そしてミニアルバム『Neo Retro Music』に参加した太田惠資(バイオリン)+ホーン隊というスペシャルな面子が、ロックやジャズ、ブルースを横断する芳醇なサウンドを生み出していく。

 中盤での「Rock'n Rose」に注目したい。ミニアルバム『Neo Retro Music』に収録された、映画のワンシーンのようにドラマティックな雰囲気を切り取ったナンバーだ。女性ジャーナリストが中東で亡くなられた問題に対して、石橋凌がストーリーテーラーに徹して歌う内容ながら、爆発寸前なテンションで展開されていく繊細なる感情の動きが、心悲しげなバイオリンと絡み合うことで表現されていく。レコーディングに参加したバイオリニストの太田惠資は、楽曲を聴いた瞬間にモチーフとなった事件に気がついたそうだ。石橋凌は、そんなニュースを風化したくないと考え、自分が伝えたいことを重ね合わせ、敬意を表して丁寧に表現している。

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異国の空に散った 一輪の赤いバラ
花びらは風に風に吹かれて 世界を巡る
「Rock'n Rose」より
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