乃木坂46「3期生オーディション」なぜこのタイミングに? グループの充実と次世代育成への課題

 続けて香月氏は、2015年からの動きを踏まえ、運営の戦略をこう推察する。

「2015年は、それまで次回開催が不明瞭なまま重ねられてきた『アンダーライブ』が、グループの行事として定着した一年でもありました。年始に運営委員長の今野義雄氏へ行なったインタビュー(http://realsound.jp/2016/01/post-5866.html)では『アンダーに地方を担ってもらう』という発言があったように、3月以降に全国ツアーの予定も組まれています。ほかにも、堀未央奈・中元日芽香・中田花奈・北野日奈子・寺田蘭世によるユニット“サンクエトワール”が始動したりと、メンバーを上手く活かせるような道を模索しているため、それらの戦略が成功し、良い形で3期生を迎えることに期待したいです」

 最後に同氏は今回のセミナー開催から見えたグループの特徴について話した。

「乃木坂46は4年間をかけて、公式ライバルとされてきたAKB48とはまた大きく違うコンセプト、ブランドを確立してきました。セミナーはオーディション応募希望者向けとされてはいますが、参加者の中には結果的に3期生オーディションに応募しない人もいるでしょうし、受けたとしても乃木坂46メンバーにはならない人も当然多数いるはずです。そうした参加者がすでに彼女たちのファンであったりその予備軍であったりすることを考えれば、同イベントはオーディションについての説明の場でありつつ、乃木坂46がここまでのキャリアで築いてきたブランドがいかなるものであるかを自らファンに向けてプレゼンする場にもなりうる。このセミナーを乃木坂46自身がどのように活用できるのかという点でも、非常に面白い試みではないでしょうか。これらのイベントを経て、乃木坂46を継承するメンバーがどのように加入し、育っていくのか楽しみです」

 グループが充実しているがゆえの課題を浮き彫りにした、今回のオーディション開催発表。はたして、どのようなメンバーが乃木坂46に新しい風を吹かせてくれるのか。

(文=中村拓海)

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