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柴那典 Base Ball Bear『C2』レビュー

Base Ball Bearが「第二のデビュー作」に込めた「シ」の仕掛けを読み解く

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 「ギターロック」という言葉がある。

 海外においては、ほぼ使われない用語だ。日本の音楽シーンに、いつのまにか和製英語として定着し、独自のジャンルを形成し、発展し、変遷を遂げてきた。今も当たり前に使われている。

 厳密な定義はない。でも、リスナーの間には、なんとなくのイメージは共有されていると思う。80年代から90年代のUKロックやUSのオルタナティブ・ロックをルーツにしたようなバンドたち。もっとざっくりと言ってしまうと、ゼロ年代の下北沢のライブハウスにいそうな感じというか。10年代の今も邦楽系のロックフェスのステージに立っている多くのバンドはそこにカテゴライズされるはず。

 さて。なんでこんな話から入ったか。この「ギターロック」という厄介なものに、日本で最も深く、真剣に向き合い続けてきたのがBase Ball Bearというバンド、そしてそれを率いる小出祐介というミュージシャンだからだ。

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『C』リリース時のBase Ball Bear

 2006年にアルバム『C』でメジャーデビューした彼らは、来年でメジャーデビュー10周年を迎える。その間彼らは沢山のリリースを重ねてきた。そのたびに様々なコンセプトを掲げてきた。RHYMESTERとフィーチャリングしたり、花澤香菜をゲストに迎えたり、いろんなことをやってきた。でも、バンド唯一のルール「4人で鳴らすこと」は守り続けてきた。2本のギターとベースとドラム。そういうギターバンドとしてのフォーマットは、かたくなに崩さなかった。

 実は彼らのようなバンドは、なかなかいない。ゼロ年代のギターロックのシーンを牽引してきた他のバンドは、BUMP OF CHICKENやASIAN KUNG-FU GENERATIONなどを筆頭に、その多くが作を重ねていく中で打ち込みのシーケンスを導入したり、ホーン隊やストリングスなど別の楽器を取り入れたりして、作風の幅を広げていっている。

 でも、彼らはその道を選ばなかった。かと言って、音楽性を変化させずシンプルな初期衝動を再生産し続けるようなこともしなかった。ギターロックを愛し、4人の「型」を守り、だからこそ王道に甘えず、変化球を投げ続けてきた。「ギターバンドが鳴らすポップ・ミュージックの未来」を探り続けてきた。

 その結果、「よくわかんないけど、なんだかすごいバンド」になっていた。Base Ball Bearとは、そんなバンドである。

 そして11月11日、彼らは6枚目のアルバム『C2』をリリースする。タイトルからも、アートワークからも想起されるとおり、これは彼らにとって「第二のデビュー作」と言える一枚だ。

 これまで豪華なボーナスディスクを収録した「エクストリーム・シングル」を3ヶ月連続リリースしてきた彼らだが、アルバムの「初回限定 エクストリーム・エディション」は、『C2』全曲のインストゥルメンタル版、そしてアルバム『C』のリマスタリング版を収録した3CDの仕様となっている。『C』と『C2』という2枚のアルバムが、まるでらせん階段のように繋がるような仕組みになっているわけだ。

     
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